芸歴42年、ぶっちゃあ(68歳)「明日売れようと思って生きてます!」 ダンディ坂野、アンジャッシュらを育てた“黒子芸人”の夢_5
芸歴42年、ぶっちゃあ(68歳)「明日売れようと思って生きてます!」 ダンディ坂野、アンジャッシュらを育てた“黒子芸人”の夢_6

「ずっと低空飛行が続いてます」

だが、とんねるずやダウンタウンより年上のブッチャーブラザーズは、時代の波に乗れなかった。

「その後はずっと低空飛行が続いています。今年でデビュー42年目。僕は自分たちのことを『42年目の若手』だと思っています。売れるまでは若手ですから」

年下の芸人が冠番組を持ち、主役の座におさまっていく一方で、ブッチャーブラザーズにブレイクの兆しは見えなかった。それでもなぜ、芸人生活を続けたのか。

「僕たちがやめなかった理由のひとつは、定期収入があったこと。サンミュージック所属のはじめの5年間は給料制でした。その後、人力舎という会社に移ってからは、給料制ではなかったけど、『月々、いくらあれば食っていける?』と社長に聞かれて、最低保証をしてもらっていました」

仕事がなくても、毎月、一定の収入があった。

「食うには困らなかったんです。契約書なんかなかったですけど、約束を守ってくれました。今考えると、いい会社だし、いい時代でしたね。本当に助かりました」

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そうは言っても、働かざる者食うべからず――厳しい世界だ。

「相方とふたりで『今月は死ぬほど働いたな』『100万円くらいはもらえるだろう』と話した月もありました。でも、実際は70万円くらいしかなかったりする。月々もらっていた固定収入はバンス(前借り)みたいな形になっていたんです。

そういうスタイルは僕たちが最後じゃないでしょうか。完全歩合制になってからは、稼げない人はすぐにやめていった」