目指すのは豆腐のダイバーシティ

今年5月に池田さんは同社の代表取締役に就任した。転職からわずか5年で、しかも同社初の女性社長になる。

「今後、社内のベクトルを揃えながら、引っ張っていけたらと思います。当社が長年培ってきたおいしい豆腐や油揚げを作る技術を使いながら、多くの方に大豆製品を召し上がっていただける商品を開発していきたいですね。
私たちは豆腐のダイバーシティと呼んでいるのですが、『ご飯の代わりになる』『デザートになる』などシーンも食べ方もいろいろ選べるような商品を毎年発表し、ラインナップを増やしていくようにしたいと考えています」(池田さん)

1年で約1000万本の大ヒット! 柔らかい豆腐をあえて固くした「豆腐バー」はなぜ売れたのか?_4
まるで肉のような食感で人気のシリーズ

最近は枝豆やひじきが入った、総菜としても食べられる『豆腐バー』が人気だそうだ。
たんぱく質を手軽に摂ることができて、おかずにもなり究極のタイパ飯として注目されているのが売れている要因だと分析している。

1年で約1000万本の大ヒット! 柔らかい豆腐をあえて固くした「豆腐バー」はなぜ売れたのか?_5
総菜として満足度が高い。生春巻きの具材にもおすすめ
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9月にはさつまいもが入ったスイーツのような『豆腐バー』を発売する予定だ。
「売り上げのデータを見ていると午後3時くらいが落ち込む時間帯なので、そこをカバーする商品を開発しました。1日を通して『豆腐バー』を召し上がっていただける機会を増やすようにしました。」(池田さん)

日本の伝統食「豆腐」に新たな価値を吹き込んだ同社のチャレンジは、まだ始まったばかりだ。

株式会社アサヒコ
https://www.asahico.co.jp/

取材・文/百田なつき