泣きながらノートに向きあった夜

「自分のことって意外に知らないな」
「自分のこともわからないヤツに、チームメイトのことがわかるわけがないよな」

まして、年齢もキャリアも考え方も違う~人の大人たちをまとめあげて、チームを引っ張っていくことなんてできるわけがない。

「まず、オレがどんな人間なのかをオレ自身がもっと知らないとダメだ」

こうして、ノートを使った「自分との対話」が始まった。まず、僕がノートに書き出すのは大体次の3つ。

自分の状態。メンタルや体がどんな状態なのか。
自分がやらなければいけないこと。
そのために必要なこと。


何ができて何ができないかについても正直に書いていくと、おのずと内容はラグビーのことだけではなくなる。人として足りない部分や弱さ、「人としてこうなりたい」ということも隠さずに書いていった。

「こんな考え方じゃアカン」
「じゃあ、どうしたらいいのか」

そう自問自答を繰り返していくイメージだ。

ノートを書き始めた当時は、毎日毎晩、自宅で1人ずっとこのノートを書いていた。孤独感とストレスで苦しくなって、夜、泣きながらノートに向かうこともあった。

ただそんな状況だとしても、僕が書くのは自分のことだけ。他人への不満や愚痴は書いたことがない。あくまでも自分自身と向き合い、対話するための作業だからだ。

ノートは1シーズンですべてのページが埋まる。自宅には、いっぱいに言葉を書き溜めたノートが7冊あるだろうか。最近はノートがタブレットのメモアプリに変わったが、ことあるごとに、シーズンの終わりや始まりといった節目ごとに、今も書き続けている。

ラグビー日本代表主将が吐露する自分の「弱さ」。自身の弱さと向き合うための「姫野ノート」に書かれた3つのこと_5
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『姫野ノート「弱さ」と闘う53の言葉』(飛鳥新社)
姫野和樹
ラグビー日本代表主将が吐露する自分の「弱さ」。自身の弱さと向き合うための「姫野ノート」に書かれた3つのこと_6
2023年8月4日
1,400円
272ページ
ISBN:978-4-864109680
「意識する」「受け入れる」「行動する」「率いる」「フォーカスする」「整える」――。
ラグビー日本代表〝最強の男〟が初めて明かした〝最高の準備〟のためのシンプルな思考習慣。

選手として、チームのキャプテンとして、これまでのラグビー人生の中で学んできた、考え方や意識作り、自分との向き合い方、「弱さ」の受け入れ方、目標設定術といった姫野流セルフコーチング・メソッドからリーダー論、組織マネジメント論までを余すところなく書き下ろし。ラグビーファンの間ではお馴染みの、姫野さんが7年間にわたって書き溜めているラグビーノート“姫野ノート”の一部も初公開&収録しています。

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