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「ドン横」閉鎖で若者たちが流れた場所とは

そもそもトー横キッズなるものが一般的に認知されたのは2021年ごろ。少年少女らが待ち合わせ場所に、2018年ごろから歌舞伎町の新宿東宝ビル(TOHOシネマズ新宿)横のシネシティ広場を使うようになり、その後、彼らの間で犯罪や売春行為等が横行、その問題を多くのメディアが取り上げたことによる。

「ドン横」や「グリ下」などはまさにその後発だが、名古屋のドン横は昨年6月に地上211メートルの新たなシンボルタワーの建設開始により閉鎖。そこに集っていたドン横キッズたちは、同じ名古屋市中区栄の別の公園に移動しているという。

風俗嬢と客の待ち合わせ場所にもよく使われる栄の池田公園で、若い女性に飲み物、お菓子、コスメ、生理用品の無料提供スペース「街角保健室☆ケアリングカフェ」を昨年7月から毎月2回主催する咲江レディスクリニックの丹羽咲江先生が言う。

「ドン横」から流れた若者たちが多く集まる栄の池田公園
「ドン横」から流れた若者たちが多く集まる栄の池田公園
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「ドン横の閉鎖以降、キッズたちはオアシス21(公園や商業施設との複合施設)やこの池田公園に散らばった印象です。特にこの池田公園は周囲にホストクラブが点在していることもあり、ホストから呼び出されるのを待っている14歳から20代前半の女の子を多く見ます。
通常、ホストクラブは18歳未満は入店禁止ですが、なかには年齢確認もせず入れる店もあるようです」

「街角保健室☆ケアリングカフェ」では、物資の提供のほか、丹羽先生や養護教諭、バーのママなどが若い女性たちの相談に乗る場をもうけている。丹羽先生は主に性感染症や妊娠の不安、生理痛などの相談に乗っているが、ここでのアンケートによれば、10代の大半が「20人以上と性交経験がある」と回答している。

「街角保健室☆ケアリングカフェ」
「街角保健室☆ケアリングカフェ」

「つい先日、ホストに行くためにパパ活をしているという17歳の女の子から『性器から悪臭がする』という相談を受けました。
パパとのときはゴムをつけるけど、ホスト相手のときはつけないと。
『性病感染したかもしれないという自覚はあるけど、パパから[この臭いに興奮するんだ]と言われるため、性病検査は行っていない』とのことでした」(丹羽先生、以下同)