中学生・高校生・大学生……新たな若い力が自治会役員に
新役員に就任した中学1年生の窪塚智祐さんは、役員になった理由やこれから実現したいことについて、次のように語る。
「自治会役員になった父や周りの皆さんの取り組みを見ていて、すごく立派だなと思っていて。『こんな人になりたい』という気持ちから立候補しました。防災委員になって、日々できる防災について学んでいきたいです」(窪塚さん)
同じく、新たに役員となった増子奈保さん(母)と高校生の涼奈さん(娘)親子は、次のように話す。
「TV特番を見て、非常に楽しそうな取り組みをされていることを知りました。参加するだけでも楽しかったのですが、運営側に回りたいという思いから立候補を決意しました。幅広い年代の方々が暮らしているこのマンションでの皆さんの生活が、より楽しくなるようなイベントを企画していきたいです」(奈保さん)
「お祭りのボランティアで、これまで話したことのない人とたわいもない話をしながら、楽しく参加できたことをきっかけに、これからは自分が企画する側にまわりたいと思うようになりました。小さな子どもからご年配の方まで楽しんでもらえるイベントを考えていきたいです」(涼奈さん)
自治会活動は、仕事と異なり金銭的な報酬はでない一方で、時間や労力は発生する。だからこそ「面倒」「参加したくない」と考える人も少なくないのが事実だ。しかし、自分ができる範囲でできることだけをして「感謝」や「心地よさ」という報酬が得られたら。それは、暮らしの中の彩りとなり得る。
Brillia City横浜磯子自治会が人を惹きつける理由は、まず自治会に参加している人が楽しんで活動していることであり、その楽しみの輪を広げていっていることにある。楽しい活動をすることだけを目的にしているのではなく、その先にある理念を明確にし、共有することもまた、多様化する時代にますます求められていくのではないだろうか。
取材・文/亀梨奈美