中学生役員が考える、自治会の在り方
鈴木さんは約2か月かけ、NPO法人CRファクトリーが主催するコミュニティ塾で「団体として成果を出しながら、関わるメンバーを幸せにできる組織運営の方法」を学んでいったという。
鈴木さんは、活気あふれる自治会にするために必要な工程は次の3ステップだと考える。
1.理念作成
2.強く温かい組織にしていく
3.多様な関わり方をデザインする
このうち、特に「3.多様な関わり方をデザインする」についての彼女の見解や例えは、実に秀逸だと感じた。
鈴木さんはまず、自治会に関わるメンバーの多様性を尊重すべきだという。自治会に関わる時間や労力などのコミットメントの度合いにグラデーションがあるのは当然のことであるし、むしろ「グラデーションをつけることが自治会運営をうまくいかせるためのコツ」だと彼女は話す。
「健康を維持するには、炭水化物やタンパク質、ビタミンなど必要な栄養素をバランスよく摂取する必要があります。同様に、自治会も『炭水化物のように深く関わってくれる人』『タンパク質のように運営を支えてくれる人』『ビタミンのように必要なときにサポートしてくれる人』がいるからこそ成り立つのです。自治会との関わり方に、正解はありません。関わり方を分けることが、お互い気持ちよく関われるポイントなのだと思います」(鈴木さん)
総会では、新たに新役員に就任した面々にインタビューする様子も中継された。新役員には、鈴木さんより若い中学生1年生の男子も含まれる。その他、新たな役員として、女子高生や男子大学生などが就任した。