再現できない味がないのが、からあげクンの特徴
「からあげクンに不可能な“味”なんてない」
同社でからあげクンの担当になった際、吉岡さんは真っ先にそう感じたという。
「ロングセラーゆえに商品開発に関するノウハウが蓄積され、味のイメージを伝えれば、希望に近い味に仕上がってくることが多いんです。商品化されなかった味で幻のチョコ味というのがありましたが、基本的には試作した商品は店頭に並ぶことが多いです。ここ数年は、毎月のように新商品を出していて、エンタメや食関連の企業とのコラボ商品も多くなっています」
現在、からあげクンの定番商品は「レギュラー」「レッド」「北海道チーズ」「瀬戸内レモン味」の4品。それ以外にも、期間限定の商品はユニーク性に富んだものが数多く発売されてきた。
食べてみるまで味がわからない「?(ハテナ)味」や、亀田製菓の人気商品である「ハッピーターン」をフレーバー化した「ハッピーターン味」、ゲーム作品ではドラゴンクエスト30周年を記念した「ドラクエ ホイミ味」や、ファイナルファンタジーXIVとコラボした「光と闇のクリスタル味」など、独創性に溢れたフレーバーが目に留まる。
しかし、最近では保守的な価値観の浸透から、わかりやすい商品名を考えないと消費者に手にとってもらいづらくなっており、あえて冒険するような商品開発はしないように意識しているという。