一番下の双子だけは特別扱いしとったように見えた
大地容疑者が小学生時代、女の子に大けがを負わせた「事件」もあったという。
「大地が足を引っかけて女の子が転んで、牛乳瓶が割れて女の子の腕に刺さって大けがしたんや。その子は腕が動かなくなるかもしらんくらいの大ごとで警察沙汰にもなって、お父さんが穂坂家に怒鳴り込んだんやけど、あそこのお母さんは謝りもせず追い返したんや。そもそもあのお母さんはしょっちゅう子供を怒鳴り倒して、それもヤクザが怒鳴ってるんかいうくらいの剣幕で罵声を浴びせとったんや。あんな言われ方されたら子供じゃなくて大人でもおかしくなるわ。
大地が小学生くらいのころはきょうだい5人でよく遊んどったわ。鬼ごっこしたりかくれんぼしたり、どこもおかしくない子供らしい子供やった。上の子はわからんが4人とも特別支援学級に行ったとは聞いてるが、あのお母さんにいろいろやられておかしくなったとしか思えんわ」
大地容疑者の同級生の母親は、沙喜容疑者が幼いころから一家の母親役を担ってきたことに思いをはせた。
「お母さんはシングルマザーでたぶん仕事もされていなかったと思います。大地くんを含めてほかのきょうだいは挨拶もしないんだけど、沙喜ちゃんとはよく話しました。ここに越してきた当初、お母さんはよく夜に出かけていて、沙喜ちゃんがきょうだいの夜ごはんを作っていると聞きました。まだ沙喜ちゃんも小さかったので、ガスを使うのは危ないと思って『火だけは気をつけなね』というと『大丈夫』と返事をしてくれました」
穂坂家では猫やウサギも飼っていたという。
「外でウサギを遊ばせているのを見たこともあります。そういった動物を飼っているので、部屋の中からケモノ臭が漏れ出ていました。沙喜ちゃんや男の子たちに比べ、双子たちだけはいつも綺麗な格好で、髪もきちんと結んでいました。学園都市の方で買い物しているお母さんをよく見かけましたが、連れているのはいつも双子だけでしたから、特別可愛がっていたのかもしれません。
とにかくあまり進んで関わりたいとは思えない家庭でした。なんらかのトラブルがあったみたいで団地内でも違う棟に引越しされて、その後はよくわからなくなりました」
違う棟に引っ越したのは「追い出された」という話もある。前出の沙喜容疑者の同級生の父親はこう振り返った。
「3階の窓から生ゴミを放り投げとったから、地面に落ちて散らばった生ゴミに虫がたかってえらいことになってそれで追い出されたって話もあったしな。まあそんな環境やから子どもたちがおかしくもなっても仕方ないわな。あと、一番下の双子だけは特別扱いしとったように見えたな。お母さんのとこに男が出入りしとった時期があったんやけどな、その男がくると双子だけを連れて飯食い行っとったみたいや」