連日のように展開される“老害批判”

近年、若者と高齢者の世代間対立が、たびたび伝えられている。「シルバー民主主義」「暴走老人」など高齢者に批判的な言葉が多数生まれてきたが、特に盛んに使われているのが「老害」というワードだ。

小学館が発行する国語辞典「大辞泉」(デジタル版)によると、老害とは「企業や政党などで、中心人物が高齢化しても実権を握りつづけ、若返りが行われていない状態」と説明されている。しかし、今では単に高齢者を指すスラングとしても用いられており、メディアでは連日のように「老害」なる見出しが躍っている。

実際、8月下旬からのわずか3週間ほどで、「老害」という言葉を含んだ記事としては、以下のようなものが配信されている(あくまでごく一部です)。

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●爆笑問題・太田光、関口宏に〝直球質問〟「老害と言われて辞めたんですか?」(サンスポ 9月12日)
●「チッ!避けなさいよ…だと!」老害自転車ドライバーが右車線を堂々直進!(FORZA STYLE 9月9日)
●軽い気持ちで言ったらすぐ「老害認定」…部下、後輩に一瞬で嫌われる「ヤバいひと言」(現代ビジネス 9月6日)
●"老害"になるかどうかは50代が分かれ道…「仕事がデキる人」から「キレる高齢者」に変わってしまう人の共通点(プレジデントオンライン 8月25日)
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一方、総務省統計局で作成している2024年(令和6年)8月版の人口推計によると、総人口に占める65歳~85歳以上の割合は「29.2%」。WHO(世界保健機関)は高齢者を「65歳以上」と定義しているため、日本はおよそ3人に1人が高齢者という“高齢者大国”なのだ。

だが、まとめて老害扱いされては、高齢者もたまったものではないだろう。こうした現象を当事者世代はどのように感じているのか。

“おばあちゃんの原宿”と呼ばれるなど、高齢者が多く集う街の東京・巣鴨で60人以上に声をかけホンネを聞いてみた。

実態を調査するため、記者は巣鴨駅(東京都豊島区)に向かった(写真/集英社オンライン)
実態を調査するため、記者は巣鴨駅(東京都豊島区)に向かった(写真/集英社オンライン)
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