女性ホルモンが減ることで肌つやが悪くなるほか、骨粗鬆症の原因にも
前頭葉の萎縮については、前述のとおり、じつは40代からすでに始まっていて、それが70代ともなると本格化してきます。それに加えて男性の場合は、男性ホルモンの減少がより進んできます。男性ホルモンは性機能だけでなく、他者への関心や意欲にも関わっているのです。
この二つの要素が若い時代のように維持できていると、日常の活動レベルを保つことができ、老化を遅らせて、若々しくいることができます。
女性の場合は、閉経後は男性ホルモンが増加するので元気になる人が多いのですが、その一方で女性ホルモンが減りますから、それに伴う問題がないわけではありません。
女性ホルモンが減ることで肌つやが悪くなるほか、骨粗鬆症の原因にもなることがわかっています。
男性、女性を問わず、ホルモン補充療法をもっと利用したほうがよい
骨粗鬆症を防ぐには、適度な運動をし、日光によく当たる、ビタミンDが多く含まれている食品を摂るなど、ごく常識的なことをする心掛けが大事になります。
性ホルモンは性別を問わず、ホルモン補充療法で外部から補うことが可能です。欧米では、性ホルモンが減少するとホルモン補充療法を受けるのが一般的になっています。しかし日本ではどういうわけか、それが「反則ワザ」のようにみられる傾向があり、なかなか普及しません。
私は日本人も、男性、女性を問わず、ホルモン補充療法をもっと利用したほうがよいと思います。最近、どうも「意欲の低下」が感じられるという方は、試してみてはどうでしょうか。
私自身も、男性ホルモンの補充を受けています。私の周りにも、これを受けると調子がいいという人が多くいます。
70代の時期に脳機能も身体機能も意識して使い続けていれば、80代、90代になって要介護になる時期を遅らせることができます。そのためにも70代で「意欲の低下」を避けることを、真剣に考えるべきでしょう。