現状の北海道チェーン勢が強すぎる?
都内における回転寿司のローカルチェーンは、トリトンをはじめとする北海道チェーンが優勢と言われている現状。そのため北陸のチェーンはおろか、まだ都内に出店していない北海道のチェーンも、東京進出が難しい状況になっているそうだ。
「『なごやか亭』、『回転寿司 まつりや』、『回転寿し 和楽』など北海道内で人気のあるチェーン店はたくさんありますが、トリトンや花まるのシェアを考慮すると東京進出はしないかと思われます。この2チェーンがすでに都内で牙城を築き上げていますので、仮に進出したとしてもシェアを奪えるかどうかは微妙なところだからです。
北陸も、もりもり寿司は、都内だとFC(フランチャイズ)展開ですから、大規模な展開をする気はないでしょう。まいもん寿司も今の勢力を保ち続けるでしょうから、今後もしばらくは東京進出済の北海道チェーンが優勢という状況は変わらないでしょうね」
北海道発、北陸発以外のローカル回転寿司チェーンの東京進出具合も気になるところである。
「たとえば丸の内には静岡発の『沼津魚がし鮨 流れ鮨』、二子玉川には九州発の『九州寿司 寿司虎』など多くの実力店が名を連ねています。地域性をウリにするチェーンはもちろん強いのですが、やはり寿司自体が抜群に美味しいお店が支持を集めていますね。
ただし地方では人気でも、都内ではからっきし……というケースもありえます。その地域でしか食べられないネタで地域性を出しつつ、全体の味のクオリティを高くしていけば、都内にも根付いていくはず。そうすれば東京の回転寿司業界はもっと盛り上がるでしょう。
いずれにしても北海道発や北陸発のチェーンが東京進出に成功しているとは言え、スシローやくら寿司といった大手チェーンに比べればまだまだ認知度が低いため、そもそもお店の名前を聞いてもピンと来ない人のほうが多いのではないでしょうか。
どれだけ美味しくてもまだ周知不足は否めませんので、これからどうやってPRして、どれだけ集客力を高められるかがカギとなることでしょう」
取材・文/文月/A4studio