自分が主役になって行動し結果を出す昭恵の行動力
安倍にそう言われて、昭恵は早速行動を開始。様々な人に会って協力を得て、ミャンマーのマンダレー市にある僧院が運営する四百人近い寺子屋が雨漏りが激しく困っていると聞き、そこに小、中学校を3校、新しく建てた。平成17(2007)年1月に開校式がおこなわれた。
単に金を出すだけとか、参加する一員ではなく、自分が主役になって行動し、結果を出す……昭恵に行動力がある証拠だろう。
学校を作る際には、曽野綾子に「ポンとお金を渡しちゃ駄目です」とはっきり言われた。何に使われるのかわからないし、ポケットに入れてしまう人もいる。曽野はカトリックの信者だが性悪説だから、根っからの性善説の昭恵に釘を刺したのだ。 無防備すぎる昭恵を心配したのだろう。
安倍は決して非現実的な右翼政治家ではなかった
安倍晋三という政治家は、確かに右翼的イデオロギーを持っていた。ある時、昭恵が安倍に「もしも総理大臣になったら何をやりたい」と訊いたら、「憲法改正」と即答したという。
実際に、第一次政権は憲法改正に必要な国民投票法を改正し、また自虐史観からの脱却を考えて、教育基本法も改正した。
しかし一方で社会保障を含めた経済もよく見ていた。つまり、生活に根付いた考えを持っているのだ。第二次政権では、右派的政策ばかりを前に出したことが失敗に繋がったと考え、第二次政権は生活に根付いた政策も進めなければと、経済政策を第一に進めていった。それがアベノミクスである。
安倍は決して非現実的な右翼政治家ではなかった。これは安倍晋太郎、ひいては晋太郎側の祖父・安倍寛から受け継いできたものだろう。安倍を語る際に母洋子側の祖父・岸信介ばかり注目されるが、それでは片手落ちである。