ペンギン好きの日本人

川端裕人『ペンギン、日本人と出会う』には興味深いことが書かれています。日本人ほどペンギン好きの国民はいないというのです。
日本人とペンギンの深い関係には、固有の時代背景があると川端は言います。1960年代、南氷洋捕鯨や南極観測に伴って日本にもたらされたペンギンは、高度成長期を迎えていた日本人にとって科学技術の象徴でした。遠い南極にいるペンギンが(本来、ペンギンは南極だけにいるわけではないのですが)日本にやってくることは、それだけの技術が日本にあることを表したのです。かくしてペンギンは高度成長期の日本人にとって、もっとも興味を抱かされる動物の一つになりました。また、動物園でのペンギン飼育技術の向上もあって、多くの日本人がペンギンを生で見ることができるようになったこともその傾向に拍車をかけたのです。

日本人とペンギンの関係から見る「ドンキのペンギン」の姿_b

こうして、日本人にとってペンギンが親しみやすい動物になっていくと、「可愛い」というイメージも共通して持たれるようになってきます。それを表すように、多くの商品でペンギンをモチーフにしたキャラクターが現れるのです。映画化までされ、一世を風靡したサントリーのビールのキャラクター・パピプペンギンズや、ロッテのクールミントガムのパッケージ、またサンリオのタキシードサムもそのひとつでしょう。
しかし時代が進むにつれ、いつのまにかペンギンにまつわる時代背景は薄まり、今では、ただ「可愛い」動物としてペンギンがイメージされるようになった、と川端は言います。

ドンペンは日本人のペンギン好きの反映か?

以上のことから、ドンペンを、日本人のペンギン好きの反映だと見ることもできるでしょう。それも「ドンキにはなぜペンギンがいるのか」という疑問に対する一つの答えだと思います。
とはいえ、よく考えるとドンキとペンギンにはそもそも強い結びつきはないはずです。ドンキのテーマソング『ミラクル・ショッピング』ではドンキの店内が「ジャングル」と歌われていますが、ジャングルとペンギンに結びつきはないし、それ以外にもドンキとペンギンの間にはこれといった関係がありません。こうした関連性のないキャラクターがなぜ、会社のマスコットキャラクターという重要な任務を追うことになったのでしょう?
この疑問を解くためにはドンペン出生の秘密を辿らなければなりません。