令和版“ツチノコ”が出現!? 
人々を惹きつけるUMAの妖しい魅力

まるで考古学者のようなUMAファンたちだが、彼らを魅了する“令和時代のUMA”はいないのか。

「どんどん増えていますよ。例えば、近年アメリカのウィスコンシン州で見つかったUMAにループスネークがいます。これは、まるでウロボロスの蛇のように自分の尾を口にくわえて、コロコロと転がって移動する蛇のような生物です。こいつがおもしろいのは、日本のツチノコ伝説のなかに、ループスネークのように移動していたとする話があるからです。このように往年のUMAネタがアップデートされることがあるので興味が尽きません。だからこそ、かつてのツチノコハンターは令和になってもまだ追いかけているのでしょう」

ツチノコハンターが今も現役とは、日本のUMAファンの情熱たるや恐るべしだ。

UMAブームはなぜ復活しないのか。ネッシー、ツチノコ、ビッグフット…Z世代が“未確認生物”を知らない理由と令和のUMA事情_4
胴体が膨らんだ蛇のような生き物とされるツチノコ(※写真はイメージ)
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「日本だけじゃないですよ。先ほどお話ししたヒバゴンは、今年フランスのUMA研究家が来日して広島で調査を行っています。そもそも近い種類の生物同士は日々交わり続けているので、新しいUMAが誕生する可能性は常にあるのです。UMAはそう簡単には古びません」

最後に、令和の時代でも輝くUMAの魅力を敏太郎さんに聞いた。

「UMAのジャンルは、一定の学術知識を有するなど少々敷居は高いかもしれません。ですが、それゆえに近年、陰謀論者たちに悪用されがちなオカルト界隈において、それらを寄せ付けない自浄作用があるところが僕は好きですね。こうした面や、新種・新説が次々見つかる面など、劣化しづらいジャンルとも言えるでしょう。
僕の本などを読んで、リアルとロマンをつなぐUMAのおもしろさに魅せられた子どもたちが、大人になったときが今から楽しみでなりませんね」


取材・文/TND幽介/A4studio