「生徒会やってんじゃないんだよ」 首相への恨みは今も
二階氏の周囲でも今後、大きな転換点がやってきそうだ。
二階氏の側近、林幹雄・自民党財務委員長の長男で、千葉県議を4期務めてきた幹人氏が4月の県議選に出馬せず、国政選挙をめざす意向を表明した。このことで、林幹雄氏が次期衆院選に出ず、幹人氏に継がせるのではないか、とささやかれている。
林氏は二階氏が幹事長だったころに幹事長代理を務め、現在も二階氏の側近中の側近として知られる。
全国紙政治部記者は、林氏が引退した後の二階氏をこう心配する。
「林氏は、二階氏が国会内で道に迷ってしまったときも案内してあげたり、二階氏が、菅義偉元首相、森山裕選挙対策委員長といった重鎮と会食をするときも同席したりと、ぴったりと寄り添ってきました。
口数が少なく『おう、そうか』くらいしか言葉を発しないことも多い二階氏の『通訳』とも言われており、林氏がいなくなったら、二階氏はどうなるのでしょうか……」
それでも、二階派議員は「二階先生は、こんなところじゃ終わらない。俺はいつまででもついていく」と話す。
そもそも、二階氏が「非主流派」に置かれたきっかけは、岸田首相が2021年の自民党総裁選に出馬するときに、5年にわたって幹事長を務めていた二階氏を念頭に、総裁以外の党役員任期を「1期1年、連続3期まで」とする公約を掲げたことだった。
二階氏は、岸田首相の政権運営を「政治はみんなでやるもんだろう。自分が目立てばいいわけじゃない。総理は生徒会長じゃない。生徒会やってんじゃないんだよ」と吐き捨てる。
永田町、和歌山の双方で二階氏の威光に陰りが見えるなかでも、二階氏周辺は鼻息が荒い。
「二階先生は、いつか必ずやり返す。自分が幹事長だったときに、岸田総理に刺された恨みは、決して忘れていない」(同・二階派議員)
取材・文/集英社オンラインニュース班