出禁にせざるを得なかった“とんでも客”
故意ではないが、初心者ならではの、ルールを知らないがゆえの迷惑行為もある。
例えば、焚き火の直火禁止。燃えかすや炭の放置のマナー違反対策や環境への配慮から、焚き火台の使用をルールにしているキャンプ場も多い。
また、強風時には火災や他のキャンパーに火の粉が飛ぶリスクがあり、焚き火を控えるべきときもある。前出の40代ベテランキャンパーが話す。
「風の強い日に焚き火をしている人がいて、案の定、火の粉がこっちに飛んできてテントに穴が空きました。そのときは安いテントだったからよかったですけど、何十万もするテントだったらさすがにキレてたと思います。
焚き火以外にも、オートキャンプ場での夜間の車の開け閉め音とか、ライトの光量などキャンプに不慣れな人が見落としがちなルールやマナーはけっこう多いので、キャンプ場の決まりごとをチェックしたり、周りの様子を見ながら気をつけてほしいですね」
前出の「高ソメキャンプ場」では、迷惑行為の域を超えた“とんでも客”にも苦慮している。管理人が言う。
「複数のサイトを利用していた大勢のグループが、共用の炊事棟にテーブルやイスを持ち込んで調理から食事、映画鑑賞までしていたんです。
その場で注意しましたが、翌朝もそのままだったのでやむを得ず退場案内をして、次回からの利用もお断りする形にしました」
いわゆる出禁の対応だ。
他にも、キャンプ場内にある別料金が必要な釣り池を無断で使用されたり、定休日に連絡なく使われたりと悪質な行為が横行。ライブカメラや看板の設置など、対策を迫られている。
今回の取材では、ゴミの放置や分別の問題、車の駐車位置を巡るけんかなど他にもさまざまな迷惑行為やトラブルの事例があった。人が増えればトラブルの数も増えるのが摂理だろう。
「高ソメキャンプ場」管理人は「キャンプ場のルールをあまり厳しくしたくないのが本心です」と打ち明けながらも「ただ……」と続ける。
「ルールやマナーを守っていただけないとさらに厳しいルールをつくらなければいけない。周囲を思いやりながら、キャンプを最大限に楽しんでほしいです」
非日常の癒しを求めて訪れるキャンプ場が、ルールでガチガチにならぬよう、キャンパー一人ひとりの気遣いが求められている。
取材/集英社オンライン編集部ニュース班
文/一ノ瀬 伸
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