#1 現役投手では山本由伸しか投げていない唯一無二の球種とは?
佐々木朗希は170キロを投げることができるのか?
上田 ロッテの佐々木(朗希)投手もまたすごいピッチャーですよね。2試合連続ほぼパーフェクトみたいなことが、昨シーズン(2022年)ありました。
古田 何がすごいかといえば、明らかに余力があることです。完全試合を達成したときも、〝僕はコントロール重視ですよ〞みたいな感じで軽々投げています。たとえば、プロのピッチャーが高校生を相手に投げたり、高校生が小学生に投げたりする場合は、手加減して投げます。それで十分という感じで。佐々木君は、そんな感覚で投げているように思います。
一方で大谷君は、ちょっと乗ってきたら、投げ終わったあとなどに「うりゃ!」とか声を出したりしますが、佐々木君はありません。最後までダイナミックなフォームで涼しい感じで投げています。
上田 佐々木投手は、170キロぐらいまでいけんじゃないのか、なんていう夢がありますが、どう思いますか?
古田 もちろん可能性はありますが、本人が目指すかどうかはまた別です。佐々木君が仮に目指したら、間違いなくケガをします。だから、そのケガのリスクを考えたら、今でも160キロ以上投げられるけど、150キロ後半ぐらいのスピードでコントロールよく投げて抑えていったほうがいいでしょう。ピッチャーの肩肘の故障に関しては、僕も何人も見てきましたが、よく消耗品と言われる通り、本当に壊れます。
ケガをして肩肘にメスを入れても、無事に回復して投げられるようになればいいんですが、戻ってこられないケースもあるので、できるだけケガをせず、 長い間一線で活躍するほうが、評価が高いと考えています。佐々木君がケガをせず続けていくためには、抑えめに投げていくべきです。抑えめに投げても、 ほかのピッチャーと比べても十分速いですから。