日々のプレゼンやミーティングでの発言は「明確」か?

——もう1つの便利なノウハウも教えていただけますか。

もう1つは「明確な内容を述べる」ことです。

企業に勤めていると、対外的なプレゼンの機会や、社内外のメンバーとのミーティングが発生すると思います。そのときに、あいまいな説明をしていないでしょうか。研究者は毎日のようにディスカッションを行ったり、定期的に学術会議などに参加しているので、論理的なプレゼンに比較的慣れているように感じます。

といっても、特別なプレゼンであるということはなく、やっていることはシンプルで「筋の通った『起承転結』を意識する」「データから仮説を立てる」「根拠となる科学的裏付けをとる」などだと思います。

特にデータが関連しない場合は、「あの」「その」などの指示代名詞を多用しないようにしたり、自分のプレゼンを客観的な視点から修正したりしています。ぜひ日頃のビジネスシーンに取り入れていただけたら嬉しいです。

「理系は賢いからいいよね」は本当? 文系サラリーマンの情報リサーチやプレゼンにも役立つ理系研究者の知識とは_3

——本書には盛り込めなかったけれど、知っていると便利なノウハウがあれば教えてください。

ちょっとした小ネタですが、辞書が引けないときに日本語や英語の言い回しや文法を簡単にチェックする方法です。

Googleで検索するときに、検索したい言葉を「"集英社"」というようにダブルクォーテーション(")で囲むと、その言葉に完全一致した結果だけが出てきます。

これを応用して、自信のない日本語や英語の文章の妥当性について調べたりします。その検索結果数が多ければおおむね正しく、検索結果数が少なければ間違っている可能性が高いでしょう。Googleも万能ではありませんが、その「集合知」を活用するのは悪くない方法だと思います。