高知東生さんにTwitter指南

――田中さんは薬物依存症からの回復に取り組む高知東生さんと一緒に、依存症問題やメンタルケアを扱ったYouTube『たかりこチャンネル』の運営もされていますね。高知さんが薬物依存症の治療を始めた早い段階からお付き合いがあるそうですが、その経緯をお聞かせください。

高知さんは、母親が自殺しているとか、子供時代に孤独だったとか、そういう過去のトラウマ体験を今はオープンにしていますが、最初そこに触れた時は大喧嘩になりました。「過去のトラウマを依存症と結びつけてくれるな」と言われて。その過去の体験が一因となって自分が依存症になった、だなんて考えたくないですから。
でも、私は、オープンにすれば、絶対に高知さんの状況がよくなるっていうのを、何度も何度も伝えました。信頼関係や成功体験ができるまでの期間は、本当に喧嘩や言い争いが絶えませんでした。

「ギャンブルに給料を全額使ってしまうんですが、自分は大丈夫でしょうか?」包丁をベッドに突き刺して話し合い、激高して投げ飛ばされたことも…。ギャンブル依存症問題を抱える人が増加し、問題が深刻化している理由_2
高知さんとはYouTubeチャンネル「高知東生とメンタルケアについて語る【たかりこチャンネル】」を運営するなど依存症回復への啓発活動をともにしている

――最初はやっぱり難しいんですね。

高知さんのTwitterの投稿にも課題を出しました。それまでは「今日、〇〇に会いました! 押忍!」みたいな投稿をしていたので、「こんなのいらないです」と伝えて。そうじゃなくて、私と喧嘩してムカついたとか、気づいたこととか、自分の中にある気持ちを言葉にしてここでつぶやいてください、ってお願いしました。

そうやって投稿していくようになると、少しずつ高知さんを応援する人が出てきて、フォロワーも徐々に増えていきました。そして高知さんが過去を語ることで、それを理解してくれる人も増えて、わかってくれる人がこんなにもいるってことが、高知さんの中で積み上がっていったんだと思います。

正直、最初は高知さんにいろいろ言うのは相手が芸能人なだけに影響力を考えると恐かったですが、私がひるんだらお終いだと思って、思い切って踏みこみました。本当にすごく刺激的な体験でした。高知さんと出会ってますます人生が刺激的になっています。