経済成長をして、武器を購入すればよかった

「戦争を引き起こさないためには、より多くの武器を生産したり、購入したりすることが必要だったんだ」と話すのは、デニス(32歳)だ。彼はもし自分が指導者だったら、「経済への対策を最優先にしていた」とも。

「この戦争がここまで長引いている原因は、経済にも理由がある。コロナがあったとはいえ、他のヨーロッパの国々の経済はなんとか歯止めがかかっているのに、ウクライナでは戦前から経済が崩壊していた。それは今も同じで、働きたくても働き口がない人がたくさんいて、外国に稼ぎに行くチャンスもない。

外国で働けば、同じような仕事でもウクライナの3倍以上もらえることもある。だから、ウクライナ国内にお金を引っ張ってくるためにも、経済対策は大事。経済というのは、武器の生産にも関わってくる」と力説する。

28歳のニキータは、「私だったら、オリガルヒ(旧ソ連圏で力を持つ財閥)からお金を回収して、日本や韓国、台湾から多連装ロケット砲などの武器を購入していた」と言う。

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デニス

被害が大きかったボロジャンカの公園で遊ぶ子どもたちにも話を聞いた。すでに学校は破壊されてしまったと話すリザ(15歳)は、不安で1日4時間ぐらいしか寝れず、睡眠障害で悩んでいるという。

「ウクライナは自国の防衛のために、もっと武器を用意すべきだった。もっと飛行機や戦車、もっと強い武器が必要だったと思う。日本では私たちのような惨事が起こらず、ずっと平和なことを願っています」

 「ロシアとの国境に壁を作るべきだった」「軍事力を増強しておけば」…侵攻から1年、ウクライナの若者たちの「後悔」_8
リザ
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