中越地震に被災した7歳から毎年10月に遺書を書いている。フジテレビ渡邊渚アナウンサーの死生観とは_5
中越地震に被災した7歳から毎年10月に遺書を書いている。フジテレビ渡邊渚アナウンサーの死生観とは_6

渡邊アナの遺書の中身

もう一つは『毎年10月に遺書を書く』ということです。7歳の時から遺書を書いているなんて変ですよね。

小学生の頃は日記帳の最後の方のページに、もし自分が死んだら読んでほしい文章を書き残していましたが、最近はちゃんとしたレポート用紙10枚くらいを封筒に入れて残しています。

内容は家族や友達にどうしても伝えたいことやお金に関すること、自分のお葬式はこんな感じにしてほしいという希望から、デジタルデータとSNSの後処理についてなど、多岐にわたります。

なぜ遺書を書き始めたのかというと、何せ私はカタツムリなので思ったことを素直に言葉にすることが苦手。顔を見るとなかなか本音で話せないので、きっと死んだ後に「あれもこれも伝えておけばよかった」と、私は空の上から後悔するような気がしているからです。

そんな後悔をせずに成仏できるように、遺された家族がちょっとでも明るく上を向いて過ごせるように書いた前向きな遺書です。

一年に一度この遺書に向き合い、何がしたくて、どんなことをやり残しているのか、なんで生きているのか考える。そうすることで、自分にとって今本当に大切なものが見えてきて、生きる目標に向かって全力で進むことができます。

もし明日死んでも、たぶん私は気持ちを伝えなかったということ以外は何の後悔もありません。

遺書を書くって、意外と効果的に自分の人生を見つめなおすきっかけになるのかもしれませんね。

ということで、今回はこれまで心の奥底に留めていた、人生や考え方、そして死生観を変えた1日についてお話ししました。ちょっとだけ殻から胴体が長めに出たカタツムリになった気分です。

次回は「私カタツムリだなー」と思う趣味についてお話ししようと思います!

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「新潟に住んでいた頃、3歳下の妹と」
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渡邊渚アナのエッセイvol.1はこちらから

文/渡邊渚 写真/峠雄三 スタイリング/真壁いずみ ヘア&メイク/久保フユミ

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