食事とランの美しい関係とは

「ひじき、レバーは毎食。納豆は1日4パック食べていた」五輪金メダリスト高橋尚子が明かす現役時代の「マラソン飯」_2
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――ゆっくりでも走ることはウォーキング以上に健康維持に効果的であると言われています。年齢を重ねても走り続けようとしているランナーにアドバイスはありますか?

ランニングというと、決められた距離を走り終えたら、それで終了と思われるかもしれませんが、走ったあとの筋肉痛も含めてランニングだと思います。まずケガをしないで継続して走るために、走る前後はしっかりと準備運動やストレッチをすることが大切です。

長距離を走る練習を続けていると、どうしてもフォームが小さくなりがちなので、可動域をしっかりと広げるエクササイズを行うことで、パフォーマンス向上のひとつのきっかけになると思います。また、着地時には体重の3倍ほどの衝撃が脚部にかかります。その衝撃に耐えるための筋肉を動かし、走る前に身体の細部を目覚めさせるための合図を送るようなエクササイズを行うことで、ケガの防止につながります。

走ったあとのストレッチや血液循環を高めるアイシングといったケアが疲労回復を早めるので、走るだけでなく前後の取り組みもしっかりと行なっていただきたいです。それが楽しく健康に走ることをより長く継続するためには不可欠だと思います。

さらに言えば、走るだけでなく、食べることと眠ることも重要です。私はマラソンの3大要素と呼んでおり、基本的な生活習慣を整えることで、よりパフォーマンスが上がると思います。ちなみに私が現在使っているポラールという時計は、走行データや心拍数の計測だけでなく、睡眠時間や眠りの質まで測定してくれるので、自分自身の健康状態を把握するのに本当に便利な存在となっています。

――普段、どのような食事を摂られていますか?

しっかりと食べて回復しないと、翌日から満足のいく練習ができないので、食事はランニングを継続するうえでとても重要です。

現役時代は基本的に朝と夜の2食で、間食に食パンやおにぎりを1~2個食べる程度でしたが、活動量が一般の方と比べて多いだけに、一度に食べる量もかなり多く、貧血対策としてひじきやレバーを毎食のように食べましたし、疲労回復のためにタンパク質を補給すべく、納豆も毎日4パック食べていました。食事の始めにメカブを食べることで、ねばりで胃腸を守ってくれる感覚があり、習慣にしていましたね。

現在は野菜や汁物中心の食事になり、自分で皮から肉まんを作り、それを朝ごはんとして食べることも多いです。現役時代と比較すると食べる量は減りましたが、長い距離を走る前はエネルギーとなる炭水化物を多めに摂る、走った後は回復のためにタンパク質を摂取するというように、走ることと食事を効率よくリンクさせるようにしています。

ランニングにとって食べることは本当に重要で、間違った食生活を続けると、生理不順や骨粗しょう症の原因となることもあります。


取材・文/南井正弘 写真/AFLO

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南井 正弘
「ひじき、レバーは毎食。納豆は1日4パック食べていた」五輪金メダリスト高橋尚子が明かす現役時代の「マラソン飯」_3
2023年1月26日発売
1,540円(税込)
四六判/160ページ
ISBN:978-4-08-781728-7
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99歳現役ランナー、君原健二、金哲彦、高橋尚子、茂木健一郎、フル2時間30分の管理栄養士、ランニングドクターなど、先駆者やプロに、「加齢とRUNの気になる関係」を聞く!
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