2月6日におこなわれた支援者会議ででた一言
1月以降は体調が悪化し、議会やイベントも休みがちだったという高野氏には、側近からも「10日間連絡がとれない」と、その体調を心配する声があがっていた。そんな中、側近たちのあいだで“苦渋の決断”が下されたのは2月6日のことだ。
「都市開発の関係者や池袋の観光関係者などの支援者が集まった会議で、今年4月におこなわれる区長選は『健康面を考えると高野さんで戦える状態ではない』となった」(区役所関係者)という。
後任には副区長の高際みゆき氏が候補に上がるが、どうも一筋縄ではいかない様子だ。
「高際さんは昨年のハロウィンイベントでは『キングダム』の人気キャラ羌瘣(きょうかい)のコスプレをして注目を浴びました。彼女はもともと小池都知事の元秘書担当部長で言ってみれば懐刀。それだけにこれまで高野さんの強権政治に耐えてきた区議や区職員のなかには、彼女のことを面白く思っていない人も多い。
高野派の中には立憲民主党をはじめ複数の野党が担ぐ、朝日新聞の政治部記者を辞めて出馬する神沢和敬(41)にチカラを貸す者も出てくるでしょう。さらに国民民主党は女性議員をたてる予定で、4月の豊島区長選はこの三つ巴の争いとなりそうだ」
8日、「集英社オンライン」は豊島区役所広報課に、高野氏の進退について問い合わせると「本日の午後からの本会議において正式に報告させて頂きます」と回答した。
“仁義なき跡目争い”を経て、豊島区の新しい“首領”は4月23日に決まる。
〈追記〉
8日、13時から豊島区役所でおこなわれた本会議にて、齊藤雅人副区長がこの日議会を欠席した高野区長のコメントを読み上げた。高野区長は引退を表明すると共に後継者に高際みゆき副区長を指名した。
「私は年明けから新型コロナウイルスに感染し基礎疾患もあったため、療養をしておりました。皆さんには多大なるご迷惑、ご心配をおかけし誠に申し訳ありません。私は池袋で生まれ池袋で育ち、豊島区の発展のために情熱を注いでまいりました。(略)私は次期区長選には出馬致しません。今後についてでございますが3年間私を支えてくれた高際みゆき副区長は皆さんから高評価を頂いている自慢できる方でございます。誰1人取り残さない社会実現のために、これからも豊島区政を長く引っ張っていくリーダーとして適任であると考えております」
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班