今年1月よりNETFLIXにて20年ぶりに配信された人気ドラマ「IWGP」(池袋ウエストゲートパーク)」。作品の舞台となった池袋をはじめ、大塚・巣鴨などのエリアを含む豊島区は、高野之夫氏(85)が6期区長を務め、「高野帝国」と呼ばれてきた。
昨年12月には、西武池袋本店の低層階に家電量販店大手のヨドバシカメラが出店する計画について、反対の考えを表明していた高野区長だが、最近は体調がすぐれず、イベントや議会の欠席も多かったという。
小池都知事の“オトモダチ”の高野氏が…
「高野区長は、1983年に豊島区議に当選。その後、10年間の都議会議員時代を経て、1999年に豊島区長となって以来、地盤を守り続けてきた。豊島区は小池百合子都知事のお膝元と呼ばれているが、それも高野さんの協力があってこそ。二人はまさに”地元のお友達“で、豊島区のホストクラブなどで感染者が相次いだコロナ第1波の際には、都が休業協力金支援をしたのは有名な話です。
言ってみれば、高野さんの強権がこれまでの池袋を支えてきた。区民が高野さんの功績として真っ先にあげるとしたら、池袋の街を文化都市として国際化させたことでしょう。IWGPで印象づけられた、池袋=不良のイメージが随分と浄化された」(都政担当記者)
池袋東口のかつて豊島区役所があった跡地は再開発が進み、次々と文化施設が立ち並ぶ。また、サンシャイン周辺は“アニメの街”として、連日多くの若者が訪れている。ハロウィンが近づくと、渋谷では嫌われるコスプレイヤーが、ここ池袋では財源となり、区をあげてイベントを開く。かつてはタバコの吸い殻やゴミで溢れていた公園は整備され、老若男女が集まるなど「街は変貌した」と地元住民は語る。
また、2014年には「消滅可能性都市」とまでいわれた池袋だが、年々タワーマンションが建ち並び、今では子育て世代も定住しているという。いずれも高野氏の功績と区民は称えるが、一方でこんな声もある。
「緑地化を広げるために廃校の校舎を取り壊し、マンションをどんどん建てたために今度は小学校が足りなくなった。今、区内の多くの小学校が定員を超えて飽和状態、学童保育はイモ洗いのようになっている。また、長年の強権政治が恐怖政治となり、区役所や区議会では誰も逆らえず、プレッシャーから心を病む人が続出している」(区役所職員)
昨年5月には、FLASH(光文社)にて指定暴力団極東会の故・松山眞一五代目との2ショット写真が報じられた高野氏は、“豊島区の首領”と呼ばれ、一部職員や区議から恐れられてきた。最近では、昨年12月に西武池袋本店(同区)の低層階にヨドバシカメラが出店する計画(現在西武は売却期間を延期中)に反対したことでも話題を呼んだ。
「会見で高野さんは『ヨドバシカメラが参入することで池袋の海外ブランド店舗の撤退につながりかねない』として『長年育ててきた顧客や富裕層も離れ、今まで築き上げてきた“文化のまち”の土壌が喪失する』と怒り心頭でした。とはいえ池袋にはビックカメラ本店があるため、『区長はビックカメラのために動いたか』と揶揄され、この発言は“時代錯誤だ”とネットで大炎上しました」(前出・都政担当記者)