「(京アニが)俺の作品をパクった」

4年前の2019年7月18日、青葉被告は京都府伏見区にあるアニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジオに侵入し、バケツでガソリンをまいてライターで着火した。近隣住人が撮影した火災の動画には鳴り響く救急車や消防車のサイレンとともに第1スタジオのビルが炎と黒煙に包みこまれる凄惨な現場の様子が映されていた。

瞬く間に黒煙が建物を包み68人が死傷した(近隣住民提供)
瞬く間に黒煙が建物を包み68人が死傷した(近隣住民提供)
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勤務していた社員ら68人が死傷した未曾有の放火事件を起こした青葉被告は、現場の南約100メートルまで逃げたが力尽き、警察官に身柄を確保された。確保の瞬間について現場近くに住む女性はこう語っていた。

「玄関から出ると、赤いTシャツを着た男が地面に横たわっていました。足元にはまだ火がついていたので火災の起きたビルから逃げてきたのかと思い、とにかく助けなくてはと近所の人がホースで水をかけていました。しばらくすると警察官数人がその男に『どうしてこんなことをしたのか?』と質問し始めて、それで犯人だとわかってゾッとしました。男は声を荒げて『パクられた』と口にしていました」

高校時代の青葉被告(知人提供)
高校時代の青葉被告(知人提供)
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髪の毛はチリチリに焼かれ、両腕と足の裏はヤケドで皮膚がただれてめくれ、全身の9割以上を焼かれた状態であるにも関わらず、動機について『(京アニが)俺の作品をパクった』などと叫び主張していたのだ。