元関脇・嘉風(中村親方)の元妻(44)が変死…「何年か前からクビが回らなくなっていた。互いにだましあっていたのでは」糟糠の妻を捨て虚構のセレブ・タワマン生活の果て“無理心中”した建設会社社長〈友人が激白〉
現役時代、関脇まで上りつめた人気力士、嘉風(現中村親方)の元妻Aさん(44)が、東京都中央区のタワーマンションで住人男性Bさん(50)とともに胸から血を流した変死体で見つかってから1カ月。事件は猟銃を使った無理心中とみられるが、2人の関係性や動機など謎めいていた事件のアウトラインが、Bさんの古くからの友人男性Cさんの証言で見えてきた。
「Bはずっと死に場所を探していたと思う」
事件は7月21日、Bさんの妻を名乗る女性から「別居している夫から自殺をほのめかす電話があり、様子を見にきたがオートロックで中に入れない」との110番通報で発覚した。

死亡したBさんが住んでいたタワーマンション(撮影/集英社オンライン)
現場に落ちていた猟銃はBさんが栃木県公安委員会の許可を得て所持していたものだった。しかし、この状況だけでは何がなんだかさっぱりわからない。だが、Aさんは既婚男性のBさんと不倫関係にあったようだ。
21日に配信された「NEWSポストセブン」では、Bさんが事件直前にSNSに綴った心境として次のように紹介している。
《名前も偽名、年も全然違うし(5歳サバ読んでた)17歳の一人息子の話も嘘で架空の人物 全力で生活を充実させていたのに余りの仕打ちにもう生きていけません。子供も2人いて、虐待で逮捕歴有り 初めから知っていたらそれも含めて好きでいられたのに。今日の昼間までは幸せだったのに一瞬で幸せは崩れるのですね》
《最愛の人と付き合って一年二ヶ月、同棲してから半年経って、今日重大な事が発覚してもう私のメンタルはズタボロなので2人で話し合った結果、一緒に逝く事にしました》
「デイリー新潮」もAさんがふだんからウソが多くて辟易していたことや、Bさんが渡したクレジットカードを総額3000〜4000万円も使って「セレブ」な生活を送っていたことなどを報じた。

亡くなった女性Aさん(左)と元関脇嘉風(現・中村親方) 写真/共同通信社
これらの報道からは、Bさんは1年以上付き合って同棲までしていたAさんの素性を突然知り、絶望して突発的に無理心中を図ったのではという印象を受ける。しかし、
「これは単なる男女の痴情のもつれじゃないんですよ。Bはずっと死に場所を探していたと思う。一方的にAさんにだまされたんじゃなくて、お互いにだまし合ってセレブ生活を満喫した挙句、こういう結末になったのかもしれません」
栃木県出身で、Bさんと古くからの友人だというCさんは、集英社オンラインの取材にこう断言し、堰を切ったように話し始めた。
『クレー射撃』にハマりだして、Bは変わった
「メディアでは『建設会社の社長でお金持ち』みたいな表現で伝えられていたけど、実はBの会社、何年か前からクビが回らなくなってたのよ。もともと、あいつが地元で仲が良かったメンバーを集めてつくった会社なんだけど、従業員からは『社長がぜんぜん仕事しない』『会社は大赤字だ』とさんざん裏で文句言われててさ。それで業績もみるみる落ちていって、今から2年前くらいにその地元のメンバーともケンカ別れして、オフィスも自宅に移転したんだよ」
記者がその自宅を確認したが、平屋の一軒家で、「オフィス」とは似つかわしくないたたずまいだった。

Bさんがかつて妻と住んでいた自宅兼オフィス(撮影/集英社オンライン)
「Bの会社は、2022年の売り上げは26億円以上で、従業員も約50人(うち事務8人)いることになってるけど、あの家(平屋の一軒家)で大勢が仕事なんてできるはずがない。だからあいつはタワマンに住めるほどの金持ちなんかじゃなくて、会社の借入金に手をつけて都内で豪遊していただけ。『もう銀行に金を返す気もないし、死ぬ前にパーッと遊ぼう!』と思っていた矢先、A子さんが現れたんですよ」
Bさんの会社立ち上げと結婚についてもこう話す。
「地元のメンバーで会社を立ち上げて、30歳くらいで10歳ぐらい年下の女性と結婚したんだけど、その子はAさんとは対照的に、素朴で『夫に尽くすタイプ』の子だったよ。家事も一生懸命だったし、夫婦仲もよかった。
Bも奥さんも酒が飲めないからか2人とも旅行が趣味になって、『この前、奥さんと〇〇に行ってきたわ』としょっちゅう、うれしそうに自慢してたんだ。残念ながら子宝には恵まれなかったけど、とにかく夫婦仲はよかったよ」

豪遊するAさん(AさんのSNSより)
糟糠の妻との旅行が唯一の趣味だったBさんが変わり始めたのは10年ほど前。クレー射撃に打ち込むようになってからだという。
「なぜだか急に『クレー射撃』にハマりだして、1本400万円もするイタリア製の銃をはじめ、全部で4〜5本の銃を持つようになったんだ。もちろん、あいつは動物を撃つ猟は忌み嫌っていたんだけど、ああいう趣味を持つ人はとにかくお金持ちが多い。だからあいつもクレー射撃場に通ううちに周りに触発されていったんだろうね。
身なりに気を遣うやつじゃなかったのに、ロレックスの『デイトナ』を分割払いで買ったり、昔は普通のクレジットカードだったのが、いつの間にかプラチナカードに変わってた。挙げ句の果てに、『この前、〇〇さんって人と知り合ってさ』とか『俺、××さんに気に入られてるから』と人脈アピールするようになったんだ」
「お互いがお互いをだましていたんじゃないかな」
いつの間にか「プチ成金」のような振る舞いをするようになったBさんは、地元のメンバーからは距離を置かれるようになり、2年前にはCさんともケンカ別れをして、以来、会うことがなくなった。しかし、相変わらずBさん夫婦の仲は良好で、旅行にも頻繁に出かけていたという。
「2年前からあいつには会わなくなったんだけど、去年の6月に近所の人から、『Bに浮気されて、奥さんが家を出て行った』という話を聞いてね。その相手がAさんかはわからないけど、あんなに仲良しな夫婦だったんだから、奥さんは相当ショックだったろうな。そのくせ、Aさんと死ぬ直前には、奥さんに電話したというのだから、どんだけ身勝手なヤツなんだよ。まあ、あいつも最後に虚構のタワマン生活を満喫できて楽しかったんだろうな」

豪遊するAさんとBさんと思われる男性(AさんのSNSより)
AさんのSNSには「ヴァンクリーフ&アーペルのネックレス」「ルイ・ヴィトンのワンピース」「シャネルのバッグ」などのブランド品の数々、リッツ・カールトンなど高級ホテルに宿泊したなどのセレブぶりが満載されていたが、これもBさんが手を付けた明日なき会社の借入金だったのだろうか。
「高級ホテルに泊まったり、百万円以上するアクセサリーをしょっちゅうプレゼントしていたらしいけど、いったいどこにそんな金があるのか...。Aさんに貢ぐために、いったいどこから金を集めたんだろうね。メディアでは、あいつがAさんにだまされたと言われているけど、お互いがお互いをだましていたんじゃないかな」
竹馬の友はそういってため息をついた。

AさんのSNSには高級ブランド品の写真が数多く掲載されていた(AさんのSNSより)
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班