資材置き場を有効活用するためにオープン

「お店のTwitterに『閉店のお知らせ』を掲載したところ、思った以上に反響があって驚いています。
ここ数日は『SNSを見て記念に来ました』という方も増えましたし、元従業員の方からも『老舗のバッティングセンターで働けたことは一生忘れません。お疲れさまでした』と労いのLINEをいただきました。それだけみなさんに愛されるバッティングセンターだったんだなと、しみじみ実感しております」

駅前からのぞむ大塚バッティングセンター
駅前からのぞむ大塚バッティングセンター
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東京・JR大塚駅の南口を出るとすぐに左手に見える、レトロな看板が目印の大塚バッティングセンター。そこで35年もの間、働いてきたベテラン女性スタッフは感慨深げにそう語る。

この女性スタッフが働き始めるよりはるか昔に始まった大塚バッティングセンターの歴史は、今月末で58年の幕を閉じる。

現存する日本最古のバッティングセンターが58年の歴史に幕。「子どものころは友だちと、今は息子と来ています」2000本以上ホームランを打った客も〈大塚バッティングセンター〉_2

大塚バッティングセンターを経営する大久保商事は、もともと建築関係の解体業がメインの会社だった。資材置き場として使われていたスペースを有効活用できないかと考えて、昭和40年にバッティングセンターをオープン。その後、1階にパチンコ店、2階にゲームセンターも併設された複合型レジャー施設として営業を続けてきた。

現存する日本最古のバッティングセンターが58年の歴史に幕。「子どものころは友だちと、今は息子と来ています」2000本以上ホームランを打った客も〈大塚バッティングセンター〉_3

「私の入社当時は1ゲーム一律300円でしたが、『お子さんからそんなにお金を取っちゃマズいんじゃないか』と社長が言うので、小学生以下は1ゲーム200円で営業してきました。
あと、保護者の方が退屈しないようにお母さんは1ゲーム無料にしたり、雑誌の蔵書を増やしたり、無料券がもらえるスタンプラリーなども実施してきました。
最近だと、女性がパンプスでも来れるように女性用スニーカーの貸出サービスも始めていて、それからひとりで来る女性客も増えましたね」(前出、女性スタッフ)