「夢の宝くじの巻」(ジャンプ・コミックス159巻収録)
今回は、大原部長がアメリカの宝くじで当選し、億万長者どころか「兆万長者」になってしまうお話をお届けする。
9月2日からお届けしている「涙のペイオフ解禁の巻」(ジャンプ・コミックス132巻収録)をご紹介する際に述べたキャリーオーバー制度による恩恵もあり、史上最高額の賞金を手に入れた部長だったが、これまで通り堅実に生きようとする。ところがその人生は、思わぬ方向に向かっていき……!?
本作をお読みいただく前に、「宝くじ」について、少し解説をしておこう。
宝くじとは、日本においては1948年に定められた「当せん金金付証票法」に基づき発行される富くじのことで、地方財政資金の調達を目的としている。
日本の富くじは、江戸時代に寺が福運のお守りを当選者に授ける形ではじまったといわれている。それが次第に金銭のやりとりと化していき、氾濫するように。そこで幕府は禁令を出し、寺社の修復費用を得るための富くじのみを許すようにした。だがそれも江戸時代後期には禁止され、以降、明治時代を通して富くじは発行されなかった。
昭和の大戦末期には、戦費捻出のために政府が「勝札(かちふだ)」と称するくじを発行するも、当選日を待たずして敗戦を迎えるハメに。その直後、戦後の復興資金調達のために、地方自治体も発行できることになった。昭和29年(1954年)に政府の宝くじは廃止され、以降は地方自治体が発行する宝くじだけが存在している。
それでは次のページから、部長の人生を一変させる超高額宝くじにまつわるお話をお楽しみください!!