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今はホストも客も刹那的 

――最近はホストクラブで売掛(ツケ)をして借金地獄に陥る女性が増えていることが社会問題となっています。頼朝さんのときはどうだったんですか?

頼朝(以下、同) 売掛はもちろん僕らの時代からありましたよ。ただ、今は回収までの猶予期間が長いと思いますが、当時は月末締めでその翌日に完全回収という“鬼の決まり”があった。だから回収できるかどうか毎月ヒヤヒヤ。

でも基本的には掛けの金額が上がると恥ずかしいものだったし、飛ばれることも多々あったんで、ひとりのお客様だけにいかに使わせすぎないかは気をつけてました。

――さらに、今のホストは若い女の子の“推し活”の対象となっていますよね。いつかは歌舞伎町に再びホストクラブをオープンしたいというお話でしたが、令和ホストに物申したいことはありますか? 

インタビューを受ける頼朝さん
インタビューを受ける頼朝さん
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今の子たちって、ホストもお客さんも、どちらも刹那的だと感じることはありますね。
僕はホスト業界から離れている間、ソムリエとして、シャンパーニュの歴史や知識に触れ、味覚だけでなく、文化を含めて脳みそで味わえるようになった。

だから僕が店をやるとしたら、若い子たちにももっとシャンパーニュという世界の奥深さや本当の所作を楽しんでもらえるエレガントな空間を作りたいと思ってます。

――元ホストでシャンパンの資格を持つ頼朝さんだからこそできることもありそうですね。

実は去年、フランス半官半民の機関からホストクラブマーケットの調査が入り、実際にご案内して私がご説明をさせていただきました。日本発祥芸の“シャンコ”(シャンパンコール)もしっかりお見せしましたよ。

――フランス本国からの調査が入るとは驚きですね。

日本というシャンパーニュのマーケットにおいてリテラシーを高めるのは悪いことではないですからね。
今年、歌舞伎町に美容クリニック「NEW FACE AESTHETIC CLINIC」もオープンさせたし、入ってくるホストさんを間違いなく美しくさせる用意も整いました。

外見だけでなく内面も養わないといけない。それにはまず、ホストたちの知的好奇心をくすぐって、シャンパーニュに関する教養を身につけてほしい。
そして、それを女の子にも伝えられるセンスやトークを磨いてほしいと思ってます。