
人生を変えるのは大変だけど、幸せホルモンを出すのは簡単! ストレスフリーな人生を手に入れるために毎日できること〈鎌田式〉
健康で元気に90歳の壁を越えていくためには、毎日の暮らし方がなにより大切だ。ストレスに対しては精神論だけで対応するのは難しい。ストレスから解放されるため、心にプラスの効果をもたらすホルモンを分泌させるにはなにをすればよいのか? 『教えて! 毎日ほぼ元気のコツ 図でわかる 鎌田式43のいい習慣』から一部抜粋・再編集してお届けする。
『教えて! 毎日ほぼ元気のコツ 図でわかる鎌田式 43のいい習慣』 #3
Q コロナのストレスや「人生の壁」に負けずに
人生を輝かせるにはどうしたらいい?
精神論だけでは限界が
人間のやる気や幸福感、絆やつながりを大切にする心にホルモンが大きく関係していることが、最近の研究で明らかになってきました。ホルモン至上主義という言葉もあります。心がけだけ、つまり精神論だけでは限界があるということです。
人間の心に良い影響を与えるホルモンには、絆ホルモンと呼ばれるオキシトシン、快感ホルモンのドーパミン、幸せホルモンのセロトニンなどがあります。

「絆ホルモン」で健康になれる
カリフォルニア大学の論文に、自分にとってうれしいことをするよりも人に親切にする方が慢性炎症を予防してくれるというものがあります。人に親切にするとき絆ホルモンのオキシトシンが出ます。
また、ペットを抱くときにも絆ホルモンが出ます。これには抗酸化力があって慢性炎症を防いでくれます。ストレスにも強くなります。つまり、人や動物への思いやりが回りまわって自分の健康につながるのです。誰かの役に立つということは生きるためにとても大切なことなのです。
「快感ホルモン」を利用して人生を輝かせる
ほめられると、快感ホルモンのドーパミンが出ます。テストの点がよかったときにほめられた子どもは「もっと勉強していい成績を取って、もっとほめられたい」と思うようになります。これもドーパミンの効果です。
自分で自分をほめてドーパミンを出すという手もあります。人間はみんな気持ちよくなれる快感ホルモンには弱いものです。上手に利用することでいろんなことがうまくいきます。
慢性腰痛を抱えている人はとても多いですが、その大きな要因にホルモンが関係していることがだんだんわかってきました。痛みの信号が脳に伝わるとドーパミンが分泌されます。そのドーパミンが幸せホルモンのセロトニンを分泌したり、痛みを緩和してくれるオピオイドという物質を分泌してくれたりします。
ストレスを減らし、普段から小さな目標を持って達成させる習慣をつけて快感ホルモンを出していることが、痛みから自由になる方法なのです。
「幸せホルモン」でストレスフリーに
傍から見ていると苦労が多いように感じられても、本人はいたって平気で幸せそうという人がいますね。きっと幸せホルモンのセロトニンの分泌がたっぷりあるのでしょう。お金がなくても幸せだと胸を張る人もいれば、お金はうなるほどあるのに何かに追い立てられて交感神経をピリピリさせて、夜も眠れないほどのストレスを抱えている人がいるのもホルモンのせいかもしれません。
「怒りホルモン」の暴走を防ぐ
怒りのホルモンはノルアドレナリン。このホルモンのブレーキ役になるのが幸せホルモンのセロトニンです。幸せを感じている人の方が怒りのコントロールがうまくできるようになります。
コロナ禍で誰でもストレスが増強し、交感神経が優位になっているので、怒りのホルモンも暴走しやすくなります。副交感神経を刺激してあげるためには深呼吸が大事。38度くらいの少しぬるいお風呂にゆっくり入ったり、風景を楽しんだり、ゆったりとした音楽を聴いたりすることも怒りのホルモンの暴走を防いでくれます。
もっと心に「ホルモン」を!
人生を輝かせるために、もっとホルモンの分泌を促しましょう。リズミカルな運動をしたり、太陽にあたると幸せホルモンが分泌されます。また、セロトニンの材料になるトリプトファンは肉やチーズ、バナナなどのおいしいものに含まれています。
難しく考える必要はありません。赤ちゃんを抱っこしたり、ペットをなでたりするだけでも効果あり! です。

これで絆ホルモンのオキシトシンが出るのです。先ほど説明したようにオキシトシンには抗酸化力があります。慢性炎症を防いでくれるのです。快感ホルモンのドーパミンを上手に利用して、生活の質を上げ、人生を面白くできるようになります。精神主義に陥らず、ホルモン主義という生き方があることを忘れないようにしましょう。
A ホルモンが人間のやる気や幸福感に影響している。
人生を変えるのは大変、ホルモンを出すのは簡単!
文・鎌田實 写真/shutterstock
教えて! 毎日ほぼ元気のコツ 図でわかる鎌田式 43のいい習慣
鎌田 實

5月26日発売
1,540円
A5版 160ページ
978-4-08-781740-9
健康で元気に90歳の壁を越えていきたい。そのためには、毎日の暮らし方が大切です。不眠、肥満、高血圧などの“老いる”ショックをぼく自身がどうやって乗り越えてきたか、同じ悩みを抱える中高年に43の解決法を紹介します。
図解でなるほど!!
Q&A形式なので、どこから読んでも大丈夫!
<もくじより>
Q眠れないときは、睡眠薬に頼ってもいいでしょうか。
Q何をすれば、毎晩ぐっすり眠れますか?
Qやせなきゃと思いつつ「もったいない」とつい食べ過ぎ……。
Qコレステロール値が高いと言われました。薬を飲みたくないんですが……。
Q毎日“スッキリ”出ない……。理想のバナナうんちに近づくには?
Qポリープが見つかり、大腸がんが怖いです。がんを遠ざけるには?
Q老化は、どこから始まるのでしょう?
Etc.
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