極上部位だけで成り立つ切り落としと究極のタンしゃぶ



14 切り落とし
(くにもと本店)

【部位別・肉ニシュラン】一切れで白米一膳食べてしまうほどのサガリ、関東三大ハラミの筆頭、パーフェクトなカルビ…心が震えるほどおいしい焼肉の現在_6
極上部位を丁寧に仕上げた凄いレベルの切り落とし

焼ニシュランの初公表以来、ゆうじやよろにくと共に、常に三ツ星を取り続ける殿堂入りの焼肉店がここ、くにもと本店。サシよりも赤身の旨味を大事にし、厳選された雌牛のみを仕入れている。

そして、肉バカが日本一愛する焼肉のタレこそ、くにもとのタレだ。
酸味があり、それが和牛のサシを合わさることでまろやかに、あっさりとした味に変えてくれる。最近の焼肉店は、お肉そのものの味を消し去るようなタレが散見されるが、くにもとのタレはお肉の味を引き立ててくれるのだ。
だからこそ、仕入れる極上の和牛と最高の相性を見せてくれる。

そんなくにもとで最後に必ずオーダーするメニューがある。それが切り落としだ。
しかも、味付けは単なるタレではなくコリアン風味。盛り合わせに使いにくい極上部位の端っこを丁寧に筋切りしたりして、食べやすくなっているのだが、ピリッと辛味のあるコリアン風味のモミダレが最高に旨い。
焼き上がったら、酸味のあるツケダレにたっぷり浸ける。これこそ最高峰の旨さ。最後にオーダーするのは、冷麺のお供にするから。この組み合わせを一度でも食べたら、もう抜け出せない。

15 タンしゃぶ
(蕃YORONIKU)

【部位別・肉ニシュラン】一切れで白米一膳食べてしまうほどのサガリ、関東三大ハラミの筆頭、パーフェクトなカルビ…心が震えるほどおいしい焼肉の現在_7
あえてタン筋を用いた食感がうれしいタンしゃぶ
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非常に困った。とにかく困った。
珠玉の15皿を選考する際に、よろにくのメニューがいくつも出てきてしまうのだ。悩みに悩んで、あえて1皿選んだのがタンしゃぶだ。
タンしゃぶというとタン元を使うことが多いと思うが、よろにくのタンしゃぶは、あえてタン筋を使う。薄切りにすることで硬さを感じず、逆に適度な食感を残してくれる。
また、タン筋はタン元よりも味がしっかりとしている。このタン筋の美味しさを引き上げてくれるのがたっぷりのネギと鰹ベースの出汁。普通の焼肉店であればオマケ的な位置付けのネギも、よろにくでは妥協なく食感や甘みのしっかりとしたネギを厳選している。

日本料理店にもひけを取らないクオリティの出汁は、タン筋とネギを見事に繋ぎ合わせてくれる。タン筋とネギの旨味が溶け込んだ出汁は、うどんにしてもご飯を入れても最高だろう。
こんな美味しいものが焼肉店で食べられる奇跡に感謝したい。


写真・文/小池克臣

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