3 全編日本ロケで制作されたリアルな東京にしびれる

“世界でもっとも撮影が難しい都市”といわれる東京。ハリウッド映画の中にはやむなく別の国で“東京“を再現している作品も多いが、本作は東京とその近郊でロケを敢行した。エグゼクティブ・プロデューサーのひとりであるアラン・プールは「パンデミックの最中の撮影は難しくて混乱の毎日だった」と振り返る。

渡辺謙は「1990 年代を描くということは、実は近いようで結構遠い。街の景色や衣装・小道具ひとつにしても昔のものなので、マイケル・マンのリアリスティックな表現に全スタッフがついていくのはとても大変でした」と語った。

オール日本ロケで制作された日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』を見るべき3つの理由_g

そもそも、日本の文化や風習が外国人記者の目を通してエキゾチックに描かれるドラマではあるが、その物語の背景にあるのが紛れもなく、私たちが知っているリアルな東京だということが独特の雰囲気を醸し出している。

オール日本ロケで制作された日米共同制作ドラマ『TOKYO VICE』を見るべき3つの理由_h

ちなみに第1話には、渋谷の飲み屋街や道玄坂にある千代田稲荷神社が登場。神社ののぼりに「令和」と書かれているのはご愛嬌だ。

『ヒート』(95)や『コラテラル』などでロサンゼルスを魅力的に描いてきた監督が、東京のアンダーグラウンドをどう描いたのか。ぜひその目で確かめてほしい。

『TOKYO VICE』(2022)
監督/マイケル・マンほか
出演/アンセル・エルゴート、渡辺謙、レイチェル・ケラー、菊地凛子、伊藤英明、笠松将、山下智久ほか


東京の大学を卒業したアメリカ人青年ジェイク(アンセル・エルゴート)は、難関試験を突破して日本の大手新聞社に就職する。警察担当記者となり特ダネを追いかけるうちに、ヤクザ絡みの事件を手練で解決する刑事、片桐(渡辺謙)と出会う。新聞記者として危険な闇社会へと入り込んでいくジェイクに片桐は忠告する。「この世界は、一度開いた扉は閉じるのが難しい」。秘密を抱えながら男社会を渡り歩く女性記者・詠美(菊地凛子)、風俗街で暗躍する刑事・宮本(伊藤英明)、ジェイクと意気投合する若きヤクザのリーダー・佐藤(笠松将)、謎めいたカリスマホスト・アキラ(山下智久)。夢や希望ものみ込む東京のアンダーグラウンドで、生き残るのは誰か――。

4月24日(日)22:00〜WOWOWにて放送開始/WOWOWオンデマンドにて第1話配信中
https://www.wowow.co.jp/drama/original/tokyovice/

ロードショー編集部