家を居心地良くしたいから掃除し、月星座・風水を活用
毎日家を掃除する理由もシンプルです。「部屋が荒れてくると、心がザワザワして落ち着かない。部屋をきれいにする面倒さと、荒れた部屋を見て気分が落ちるのと、どっちがいいかを考えたら、“とりあえず掃除しよう”と思うんです」。小川さんは、月のサイクルに合わせて家のあらゆるところを掃除する“ムーンクリアリング”という掃除法を取り入れています。そこから月星座占星術や風水を勉強するようになりました。
自分の考えだけで行動を起こすのは意外と難しいもの。「あそこを片付けなきゃ」「掃除しなきゃ」といった面倒なことはなおさらです。だけど月星座占星術で「今日はどこを掃除すると運気が上がるか」をチェックすると、腰が上がるきっかけになると小川さんは言います。
「風水も全く同じですね。ワークショップも始めることだし、もっと家を心地よくしたいと学び始めたことですが、当たり前のことを学び直すことに近かったですね。玄関をきれいにしておくとか、寝室の場所はどこがいいとか。ちょっと気をつけるだけで、心が落ち着いたりするんですよね。月星座も風水も、どちらも睡眠の環境を重視するという考え方で、私が大切にしていることと重なったことも大きいと思います」
40代から50代、より“すこやかなほう”を選んで生きる
40代から50代、心も体も考え方も、さまざまな変化を迎える時期でもあります。そんな時に、より“すこやかなほう”を選んで生きる小川さんの本『すこやかなほうへ 今とこれからの暮らし方』は、私たちの指南書になってくれる一冊とも言えます。
「前半は、暮らしのお役立ち情報を実用的に、後半にかけて思考寄りの話になっていきます。ライフスタイル本と思って軽やかに読み始めたものの、最後読み終わったら、嫌じゃない重みが残るというか。ある意味、ずしっと人生について考えるような後味があると思うんです。読み始めと読み終わりで違う表情があるような、多面的に読める本になったのかなと思います」
(後半では、小川さんがどんな幼少期を過ごし編集者になったか、鬱々とした日々を過ごしていた高校時代を救った音楽、出産を経て千葉へUターンしたエピソードをお聞きします。お楽しみに!)
小川奈緒さんの年表
1972年 東京都に生まれる(4歳から千葉県で育つ)
18歳 早稲田大学第一文学部入学
22歳 早稲田大学卒業、出版社に入社
23歳 宝島社に入社。雑誌『CUTiE』などの編集を担当する
29歳 フリーランスに
34歳 結婚
36歳 出産
38歳 実家のある千葉県に引っ越す
41歳 『家がおしえてくれること』(KADOKAWA)を発売
43歳 『おしゃれと人生。』(筑摩書房)を発売
44歳 『心地よさのありか』(パイ インターナショナル)を発売
47歳 『直しながら住む家』(パイ インターナショナル)を発売
49歳 『ただいま見直し中』(技術評論社)を発売
50歳 音声メディア「Voicy」のパーソナリティをスタートし、自宅を開放したワークショップ「Table Talk Gathering」の運営をスタート。『すこやかなほうへ 今とこれからの暮らし方』(集英社)を発売。12/23には、娘の幼少期時代の子育てブログを再編集し、電子書籍化してリリースする予定(詳細はHPへ https://www.tabletalk.store/)
撮影/高村瑞穂 取材・文/武田由紀子