末っ子以外の少数派だって負けていない!
––––割合としては少ないですが、末っ子以外のタイプも、もちろん代表で活躍しています。末っ子の次に多い長子(代表26人中6名)は、どうやって力をつけてきたんでしょうか?
長子には、上の兄弟姉妹がいませんが、ときに父親が大きな長男になることもあります。そのおかげで、末っ子以上に負けん気が育ち、スポーツがうまくなるケースがあります。
しかし、意外に長子は暴走しやすいんですよ。自分が良かれと思ってやってるんだろうけど、けっこう周りが迷惑したり、大事なことを勝手に決めちゃったり。ですから、長子がリーダーになるとワンマンになりやすいですね。キャプテンには向いていないかもしれません。ちなみに私も長子なんですが……。
––––競争には向いていないイメージのあるひとりっ子はどうですか?
何かと一人で行動しやすく、協調性に乏しい特徴がありますが、ただ大勢のチームメイトがいるとその中で“疑似兄弟”を体験していることもあるんです。
スペイン戦で勝ち越しのゴールを決めた、田中碧選手は1人っ子ですが、三笘薫選手と同じサッカークラブ出身で、三笘選手が1つ年上ということもあって「鷺沼兄弟」と呼ばれていました。なので、そいういった経験があると“末っ子”に近いタイプになることもありますね。
––––個人的には、中間子(代表26人中3名)が最も謎の存在ですが、彼らは、どんなタイプなんですか?
代表メンバーでは、長友佑都選手、浅野拓磨選手、前田大然選手がそうですね。中間子は、まさに中間管理職のような存在で、上からは圧力をかけられ、下からは突き上げられ育ちます。そのため敢えて他の兄弟と違ったキャラクターを形成しようとします。
例えば、他の兄弟が成績優秀なタイプだったら、「笑いを取りに行くお調子者キャラで行く」みたい感じです。3選手とも髪型は超個性的だし、代表チームの中でも目立つキャラですよね(笑)。
また、親の目が1番届きにくいので、「誰もわたしのことをわかってくれない」というような悩みを抱えがちです。だからこそ繊細で、場の空気を読めるようになり、チームには欠かせない調整役となります。上下に挟まれた厳しい状況で成長するので、高度な生存戦略を身につけている努力家なのだと言えるでしょう。
取材・文/集英社オンライン編集部