「結婚式に来て」と母親に土下座するも…
――レムニアさんの家族は、レムとの結婚に賛成しているのですか?
レムニア 両親と兄、3人の姉がいて7人家族なのですが、父親を除いてみんなオタクなんです。だから、父親以外は全員OKしています。父親は何も言いませんね。
それでもこの対談のためにレムを車で運ぶときに手伝ってくれました。父親は2次元のアニメやゲームなどは全く知らないんです。自分が誰を好きになろうと「好きにしていいよ」という感じで認めてくれてはいます。
近藤 私はその部分をクリアできなかった。結婚を決めた当時、父はすでに他界していましたが、母親と妹にはちゃんと話をしましたんです。「結婚式に来てくれ」と母親に土下座して頼みました。本当にガチでぶつかりました。それでも母親は「行かない」という返事でした。
ミクさんは「女性じゃない」と言われました。そのとき、「例えば男性を連れてきて、この人を愛しているから結婚式に来てくれと言っても来ない?」と母に聞いたら、やはり「行かない」と。
要は生身の男と女という組み合わせしか認めないということでした。
――妹さんは年齢が近いので、そういう理解があるのでは?
近藤 妹は3歳下ですが、いわゆるオタクでは全然ないので、母親と同様にそのあたりの理解はまったくなかったですね。同性愛者の方でも家族に理解してもらえなくてつらい思いをしたという話をよく聞きますが、家族の理解というのはすごく深い問題なんですよね。その点、レムニアさんはとても恵まれた状態だと思います。
レムニア 自分でもすごく恵まれていると思います。近藤さんにお会いすることを母親に言ったら、「レムのために何か服を作ろうか。冬なのでマフラーとかセーターとかもいいよね」と言ってくれました。母は裁縫が上手なので。
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対談中編では、2次元キャラクターとの結婚や交際を打ち明けたときの友人や上司の反応、さらにはキャラとの生活の苦労が話題に上がる。
取材・文/川原田 剛
撮影/田中 亘