ビジネス目線で発揮される芸能コンテンツに期待
これは一つの鉱脈かもしれない。
従来、芸能界やテレビ業界は、バラエティであれドラマであれ「ギョーカイ」とカタカナで表記され、巷の常識が通用しない世界として描かれてきた。
しかし、芸能人も一人のビジネスマンと捉えることができれば、色々と企画に広がりが出るのではないだろうか。広く発展してきたビジネス系コンテンツと芸能コンテンツが交われば、掛け算で色々なものが生まれるかもしれない(まあ過去にもドラッカーと女子マネみたいな試みはあったが、それとは全然違う意味で)。
裏を返せば、今の既存のテレビ番組だってビジネス目線の教材として捉え直すこともできるだろう。
たとえば、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ)みたいな会議は、一般企業にとってどうなのか。
もっとも偉い人が一番しゃべるという会議形態はいいのか。トップが強いプレッシャーをかけている状況下、会議参加者の心理的安全性は守られているのか。何を言っても結局最後はトップが全部、話の結論を持っていってしまうのはいかがなものか。
あるいは、『徹子の部屋』(テレビ朝日)のような1 on 1ミーティングはどうか。
細かく下調べされたメモに基づいて矢継ぎ早に話が振られる。時にはかなりの無茶振りもあるという意味では少し圧迫面接気味ではないだろうか。
なんだか楽しくなってきた。
これからも、ビジネスマンとして芸能人を捉えたコンテンツ、また新たな企画が見られることを期待したい。もしそれが出てきた暁にはうちの会社の人事部に推薦したいと思う。
文/前川ヤスタカ イラスト/Rica 編集協力/萩原圭太