推しキャラクターを応援する年1のイベント“キャラ大”
ところで、前段の話で度々出てきた「サンリオキャラクター」と言う単語。皆さんは、どのキャラクターを思い浮かべながら読んでいただろう?
世界的にも人気を集めるハローキティ、大きな耳がかわいらしい白い子犬の男の子シナモロール、キキララことリトルツインスターズ、ポムポムプリン、マイメロディ…。
サンリオには450を超えるキャラクターがいるので、思い描くキャラクターは、きっとそれぞれ違うことだろうと想像する。
また、「この子!」と思い浮かぶ子の中には、推しキャラクターを想像する人もいることだろう。
「サンリオキャラクター大賞」は、そんな推しキャラクターを応援できる、年に1度の人気投票企画なのだ。
その始まりは1986年のこと。サンリオの月刊紙「いちご新聞」内の特集の1つとして始まり、大賞のキャラクターが「いちご新聞」の表紙を飾れるというものだった。
そんなファンに向けたイベント“キャラ大”だが、近年ではファンだけでなく、多くの人が投票する一大イベントになりつつある。実際、2021年には2134万6750票と、過去最高の総投票数を記録した。
その分岐点として、2012年よりハガキ投票に加え、インターネットからの投票が可能になった影響は大きいだろう。インターネットで投票できるようになったことで、投票の垣根がグンと下がり、ライトなファンや海外のファンも気軽に投票できるようになったのだ。
好きなキャラクターを応援する理由
盛り上がりは理解したものの「そもそもなんのために、投票をするのか?」と疑問に思う人もいるだろう。
ここからは筆者なりの解釈なのだが、その理由は大きく分けて2つあると感じている。
まず1つは、好きなキャラクターの人気をアピールする合法的チャンスだということ。
先にも述べたように、サンリオキャラクターは450以上いる。しかし、そのうちサンリオキャラクター大賞にノミネートしているのは、わずか80キャラクター。この中から、定期的にグッズ化されているキャラクターを数えたら、おそらくほんの一握りだ。
この数多いるキャラクターの中から、推しキャラクターの露出を増やすには、多くの人に知ってもらうこと、定期的にグッズ化されること、多くの企業とコラボしてもらうことが大切だと私は思っている。
しかし、サンリオに「ぜひグッズ化を!」と直談判するのは、あまり現実的じゃない。また、グッズが出るたびに、在庫を枯らすほど購入できるほどの経済的余裕はない。
しかし、キャラ大なら、スマートフォン1つで人気を数値化できる。ファンにとっては、かなり貴重なチャンスなのだ。
もう1つ考えられる理由は、好きなキャラクターと共に頑張れる一体感を感じられるということ。
実はサンリオキャラクターの中には、TwitterやInstagramのアカウントを持っているキャラクターも多い。日々、私たちに癒しを与えてくれるキャラクターたちが、結果に一喜一憂する姿を見て「推しに喜んでもらうため!」と楽しめるのは実に応援欲をそそる。
ちなみに全キャラクターが上位を目指しているというわけではないというのも、サンリオキャラクターらしい。
例えば、サンリオのハッピーになりたい男子たちによるユニット“はぴだんぶい”のメンバーは応援を呼び掛けつつも「自分らしく!」と意気込んでいる。
一方で、歯ぐるまんすたいるのように、自分の狙う順位を「33位!」と明言しているキャラクターもいる。
それぞれのキャラクターが掲げる目標を一体感を味わいながら楽しめるというのは、いつも以上に心を通わせている気分になれる。それだけで、投票すべき理由になると私は感じている。