15年間、撮りためたデコトラフォトが1冊に
――今回、撮り続けてきたデコトラを写真集『DEKOTORA』としてまとめられました。そのきっかけとは?
電気の自動車が増え始めたこと、紙媒体が減ってきたこと…。いろんな背景が重なって、一度形にしておきたいという思いは、ここ数年持っていました。
きっと、今はサブカルチャーというよりポップな見え方をしていて、見る側の感じ方も幅があるんじゃないかなと思うんです。同時に、デコトラ自体の幅も広がっていて。江戸っぽいレトロな装飾もあれば、『ONE PIECE』を部分的にモチーフにした現代的なものもある。1台の中でいろんな時代の流行を取り入れている人も、昭和の丸電球の装飾を貫いている人もいる。
『トラック野郎』(デコトラをムーブメントにした映画)の時代から続くデコトラだけでなく、今はアートピースとしての側面もあって、特有の文化として世界的な広がり方をしている。そういう時代だからこそ、デコトラを紹介していくべきだなと感じたのも、写真集を作るきっかけになりました。
――ちなみに、海外の方はどんな反応をされるのでしょうか?
「アートトラック」という名で呼ばれていて、アート好きの方が日本まで見に来るのですが、最初はやはりびっくりされます(笑)。デコトラを知らない日本の若い世代もそうですが、「何だ、これは?」と純粋な目で見るので、変な先入観や誤解がないんですよね。