硬くなった古いライダースに潤いを与え、
最高の着心地に仕上げる「STRONG OIL」

ここまで読んだ革ジャン好きの中には、「ははあ、アレのことね」とピンと来た方もいるだろう。

僕がライダースのお手入れに使っているのは、ミズノが野球グローブの手入れ用としてリリースしている保革剤「STRONG OIL」だ。

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ミズノの「STRONG OIL」

もちろん、本来、革ジャンのお手入れには、専用のレザークリームやオイルを使うべきだ。
特に高価な新品を買って間もない人などには、“野球グラブ専用”とされている「STRONG OIL」など、決しておすすめすることはできない。
「STRONG OIL」を使うべきなのは、僕のような製造から何十年も経過し、油が抜けて革が硬くなっている古革ジャンを愛用している人に限られる。

シーズン到来後、数ヶ月ぶりにクローゼットから取り出したライダースの表面に、「ストロングオイル」をたっぷり塗りつけ、指で伸ばして馴染ませるように揉んでやるとアラ不思議。

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「STRONG OIL」を塗っていく。指でやるのが一番手っ取り早い

皮の表面は潤いを取り戻してツヤツヤと輝き、そしてフンワリと柔らかくなる。
分厚い革ジャン特有の、着るものを拒むかのようなゴワつきやツッパリ感もなくなり、着心地抜群になるのだ。

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左半身だけ塗ったところ。違いがお分かりいただけるだろうか?

僕が「STRONG OIL」を好むもうひとつの理由は、その香り。

塗りたての革ジャンから漂うのは、子どもの頃に使っていた野球のグローブそのもののちょっと甘い香りだ。
大人になってからも野球に親しんでいる人は別に何も感じないのかもしれないが、子どもの頃にだけ友達と野球をやって遊んでいた僕のような者にとっては、なんとも郷愁を誘う、懐かしくも優しい香りなのだ。
とはいえそこまで強烈ではなく、塗ってから数日もすると飛んでしまうので、香りが苦手な人でも問題はない。

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全部塗り終わった。ツヤツヤになってライダースも喜んでいる

さて、偉そうに「STRONG OIL」の良さをとうとうと語っているが、実はこのオイル、革ジャン好きの間ではすでにかなり広く普及している。

数年前、革ジャン愛好家としても知られるかの所ジョージ氏がメディアで、「これまでいろいろなオイルを使ってきたけど、これがベスト」というお墨付きとともに紹介したことがきっかけだ。

所さんは、これを使ってフニャフニャに柔らかくした革ジャンは、重さも感じにくくなると言う。

確かにそうなのだ。

ライダースのような重厚な革ジャンは、一日中着ていると肩がカチコチにこるほど重く感じられることもあるが、この「STRONG OIL」を使うようになってからは、あまり重いと思わなくなった。
もちろん、柔らかくしても重量が変わるはずはないけど、どうやら主観的な重さというのは硬さから生じているようなのだ。

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こんなに柔らかくなる

ミズノの「STRONG OIL」、もしまだ使ったことがないという人はぜひお試しあれ。
ただし、あくまでも自己責任で。

何しろ“野球グラブ専用”なのだから、メーカーも筆者も何かあったとしても責任は負えませんので、悪しからず。

画像・文/佐藤誠二朗