創造性と生産性のユニークな融合

教室の中でiPadが活用される様子を見ていていつも驚かされるのが、そのスピード感だ。生徒たちはグループに分かれて15分も経てば、調べたことが数ページのスライドにまとまり、すぐにでも発表できる準備が整う。

いくつかのGIGAスクールの現場を取材していて判明したが、この「15分」という時間は、授業が始まって、デバイスで何か始めるために教室内の準備が整うまでの時間と等しいことすらある。これは「コンピュータを学ぶ」ではなく、「コンピュータを用いて学ぶ」を体現する中で、iPadの優位性が表れる例と言える。

「そこがiPadと他のデバイスの大きな違いです。iPadなら、デジタルなものを使うことに生徒たちがストレスを感じず、やりたいことを何でもできます。iPadを使うために覚えることはごくわずかで、すぐに使い始めることができる点は、生産性の高さにつながるでしょう。

iPadは、何か特定の用途のために設計されたわけではありません。iPadが登場した頃、私たちは『魔法のガラス板』と呼びましたが、ストレスなく使えて、柔軟性があり、わかりやすい製品にしたかったのです。

加えて、Apple Pencilが使えるようになったことで、iPadはより生産性と創造性を兼ね備えるユニークな存在になりましたね」(ボーチャーズ氏)

「iPadはコンピュータとして設計していない」––––Apple役員が語る「iPadと教育の未来」_3
「誰でもストレスなく扱える点は、iPadの優位性である」と指摘するボブ・ボーチャーズ氏