オーガスタの女神は“ツンデレ”か
“ゴルバカ”を自認する筆者はもちろん、筆者のゴルバカの師匠・カラサワ氏の目も寝不足で充血している。テレビの前で観戦していただけなのに、まるで戦いを終えたゴルファーのように心地よい疲労感に包まれているのは、我ながらおめでたい限りだ。
優勝したのは25歳のスコッティ・シェフラー(アメリカ)。2位のローリー・マキロイ(北アイルランド)に3打差の圧勝だった。そのプレーぶりは、「安定とはまさにこういうプレースタイルのこと!」と言いたくなるような危なげなさで、他の追随を許さないものだった。
けれど、「波乱」や「ドラマ」を見たいゴルバカふたりにとっては、少々もの足りない展開だった。
「このまま終わっちゃマスターズらしくないよね」
ふたりの意見は激しく一致。何かが起きる、起こってほしい。そんな思いで最終ホールに向かうシェフラーをテレビ越しに熱く見ていた。第1打、第2打ともに無難にやり過ごした時点で2位とは5打差があった。
10mほどの下り、簡単ではないパットが残ったがファーストパットを残り1mほどに寄せた。あとはウイニングパットを決めるだけ。見ている側としては、どんなガッツポーズをするのか、歓喜の涙はあるのかなど、早くも「優勝後のシェフラー」に思いを巡らせ始めた。