“あいさつのタイミング”が気まずさの極み
――今作で高校生役を演じられたおふたりですが、実際の学生時代はどんな生徒でしたか?
奥平 中学生のころは部活をやっていたし、青春っぽいこともしていたかなと思います。性格的にもわりと「ウェーイ!」っていう感じだったんですけど、高校に入ってからわりとスンってなっちゃって。
騒ぐ体力がなくなっちゃったのかも(笑)。もともと人と深く仲よくなることが得意じゃないので、そういうところは加藤木くんに似ているんじゃないかなって思います。
山田 私は中学生のときから仕事をしていたのでわりと冷めた側にいたと思っていたんですけど、今日取材で昔のことを振り返っているうちに、わりと学校生活を楽しんでいたことを思い出しました。レクリエーションタイムに、みんなで宅配ピザを注文して教室で食べたり。
奥平 え~、楽しそう! いいな~、僕も学校でピザ食べたかったな。
――ドラマでは、「あるある!」とうなずきたくなるような日常にあふれる気まずいシチュエーションがリアルに描かれています。最後に、おふたりが気まずさを感じがちな瞬間について教えてください。
山田 よくあるのが、撮影が終わってスタッフさんたちがエレベーターまで見送ってくれて、「お疲れ様でした! 失礼します」って言ったあと、なかなかトビラが閉まらないとき。
奥平 ある~(笑)!
山田 おたがいに「あっ……」てなる。あれは気まずい(笑)。
奥平 僕がけっこうニガテなのは、現場で初めてお会いした共演者の方にあいさつするタイミング。
山田 わかる!
奥平 たとえば自分があとから現場に入って、その方が先にメイクされていると、メイク中に話しかけるのはどうなんだろうって思っちゃうんです。でも、時間がたてばたつほどタイミングがわかんなくなっちゃって……。
山田 そこを逃すと、段取りのあとになっちゃうじゃん。
奥平 そう。段取り中に「こいつ、あいさつしてきてないな」って思われたくないし、なんならする気満々だし。そのタイミングの難しさは、こっちが一方的に気まずいかなと思いますね。
山田 私は、メイク中にあいさつしちゃうようにしている。「メイク中にすみません、よろしくお願いします」って言って。でも、たしかに気まずいし、正解はいまだにわかんないですけど。
奥平 タイミングが大事だよね。僕も今度からそうしてみます!
取材・文/吉川由希子 撮影/井上たろう スタイリスト/中井彩乃(山田杏奈)、伊藤省吾(sitor)(奥平大兼) ヘアメイク/菅長ふみ(山田杏奈)、速水昭仁(奥平大兼)
『WOWOWオリジナルドラマ 早朝始発の殺風景』(全6話)
身近でありきたりな日常から非日常へと突如変化させるひと言、腹の中を探り合うような心理戦。会話劇によって解き明かされていく真相と、息苦しさからの解放。脆くて青い人間模様を密室での特異なシチュエーションで描いた新感覚・青春ミステリードラマ。おたがい話したこともないクラスメイトの殺風景(山田杏奈)と加藤木(奥平大兼)が、なぜか早朝始発の列車で遭遇する。早朝始発にわざわざ乗る理由は? それぞれの思惑は一体どこにある——? 男女の高校生がガラガラの車内で、小さな謎の探り合いの会話を交わす。
11月4日(金)午後11:30放送・配信スタート
WOWOWプライムにて毎週金曜 午後11:30~放送
WOWOWオンデマンドでは、
11/4(金)の放送終了後に第4話まで、12/2(金)の放送終了後に最終話まで一挙配信
https://www.wowow.co.jp/drama/original/sappu-kei/
山田杏奈/やまだあんな
2001年1月8日生まれ、埼玉県出身。2011年、『ちゃおガール2011☆』オーディションでグランプリを受賞。2013年に女優デビューをはたし、以降は数々の話題作に出演。2022年は映画『HOMESTAY』、ドラマ『未来への10カウント』、『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』ほかに出演。映画『山女』が2023年公開予定。
奥平大兼/おくだいらだいけん
2003年9月20日生まれ、東京都出身。2020年に映画『MOTHER マザー』で俳優デビューし、第44回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数多くの新人賞を受賞。同年に『恋する母たち』で連続ドラマに初出演。映画『あつい胸さわぎ』が2023年1月27日、映画『君は放課後インソムニア』、映画『ヴィレッジ』も2023年公開予定。