親も「性に関する知識」のアップデートを

――学校で始まる教育ではありますが、親も一緒にできることはありますか。

学校だけではなく、ぜひ保護者も知識のアップデートをしてもらいたいですね。

いくら子どもが「自分の体も他人の体も大事。他人のプライベートゾーンを勝手に触ったり見たりしてはいけない」と学校で習っても、保護者がふざけて子どもの性器や胸を勝手に触る、しつこくキスをするなどのスキンシップをしてしまうと、子どもは混乱してしまいます。

親であっても、子どもを1人の人間として尊重する姿勢を見せてほしいです。

――とはいえ、性暴力については親も教師も「そんなことはめったに起こるわけがない」と思い込んでいる、思いたいことが多いですよね。

そうですね。過去に、ある子どもが被害を打ち明けたとき「この子はいつも物事を大げさに言うから本当かどうか疑わしい」と、教員がまともに取り扱わないという事例がありました。そのときは私から「これは性虐待疑いとして児童相談所に通告してください」とお伝えしました。

テレビやドラマの中だけだと思いたい気持ちはよくわかりますが、性暴力は表面化していないだけで「実は悩んでいる」「誰にも言えなかった」という子どもが本当に多いです。

来年度からこのような学習が始まることを知っていただき、学校はもちろん、家庭でも性教育や性暴力の実態について知っていただきたいと思います。

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