「とにかくジュニアさんを笑わせたい」――審査委員長・お~い!久馬にとっての『座王』_3

『座王』が若手芸人の目指すべき目標になっている

さらに、『座王』の放送が続いていることは、若手芸人や、NSCなどに在籍する芸人の卵にとってもひとつの目標となり、高いモチベーションに繋がっているという。

「大喜利イベントって、僕らが若手のときだとそれほどなくて、それこそダウンタウンの松本さんくらいから積極的にやりはじめたイメージですね。それが今の若い子たちは普通に大喜利もできたりする。今、僕はNSCの講師をしているんですけど、生徒たちはみんな『座王』を観ていて、自分たちで“もし自分たちに回ってきたら”みたいな真似事をやっていますね」


長年、『座王』をジャッジしてきた久馬の立場から見て、そのセンスに驚いた芸人、また、改めてその実力に驚いた芸人はいるのだろうか。


「R藤本かな。もうベジータ関係なく大喜利が面白い(笑)。(ベジータの仮装は)枷になる可能性もあると思うし、普通の格好で出たらもっと勝てるんちゃうかなぁと思うことがありますもん。“その格好、邪魔になってない?”みたいな(笑)。あとは、浅越(ゴエ)もそうですね。最初、彼は審査側で出ていたんですけど、“浅越はやりますよ”とスタッフに伝えていて。実際、プレイヤーにまわったらどのジャンルも強い」

『座王』の難しいところは、いくら実力があっても、苦手なお題に当たればすぐに敗退を余儀なくされてしまうことだ。そのギャンブル性に振り回される芸人たちには同情する気持ちもある。


「仲の良いヤツが『座王』にきて頑張ってほしいなと思っても、苦手なお題に当たってしまって、すぐに敗退することもある。そんなときは、“あいつはそれじゃないからなぁ”みたいな気持ちにもなりますよ。『座王』は負けたらホンマショックですから。そのあとにボケなんか言いたくなくなるくらい。そういうときは僕らも勝負以外で盛り上げることができたらいいんですけどね」

「とにかくジュニアさんを笑わせたい」――審査委員長・お~い!久馬にとっての『座王』_4
冷静な語り口の中にもお笑いへの熱い思いを秘める