相手に依存しない、遠慮しない強さを持ちたい

「誰かを好きになったら夢中になっちゃう」アイドル、俳優、クリエイター…職業を超越する伊藤万理華の恋愛観_1
『もっと超越した所へ。』(2022)で美和を演じた伊藤万理華さんと、泰造を演じたオカモトレイジさん
©2022『もっと超越した所へ。』製作委員会
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――映画『もっと超越した所へ。』(2022)では、元アイドルのイメージを覆す、金髪ギャル・美和役に挑戦した伊藤さん。役とはどう向き合いましたか?

美和は、登場人物の女性で一番心が弱いかもしれないです。自分の考えを強く言い出せなくて、彼が好きだから相手に染まってしまう。私も夢中になるとまわりが見えなくなることがあるので、その気持ちはすごくわかります。でも、強く見られたいから容姿に頼るしかないんだろうな、と。つけ爪をしたり、金髪にしたり、風貌を変えることで美和を作り上げました。
あとは、実は情が深いというか、軽いようで軽くない。相手に一生懸命合わせている美和もかわいいなと思いながら演じていました。

「誰かを好きになったら夢中になっちゃう」アイドル、俳優、クリエイター…職業を超越する伊藤万理華の恋愛観_2

――彼氏役のオカモトレイジさんとのやり取りがすごく自然でした。

レイジくんとはもともと知り合いだったんですが、偶然相手役になったのでこの機会にもっと仲良くなりたいと思いました。まずは、レイジくん自身をもっと知ろうと、私がインタビュアーのような感じで「なんでドラマーになったの?」だったり、結婚したときの話などを聞きまくりました(笑)。
そして私自身も知ってほしかったので、美和を演じる私のことをレイジくんがどのくらい興味を持ってくれるか探ったつもりです。普段から友達を含めて遊んだり、たくさん話をして、この機会にすごく仲良くなれました。お芝居でそれがみなさんに伝わっていたらうれしいです!

――女性4人の恋愛模様が描かれた映画でしたけど、とくに印象に残ってる女性キャラは?

真知子(前田敦子)のセリフがすごく刺さりました。「好きなものや、趣味がないから依存するんじゃないの?」のようなセリフがあるんです。それを自分も言いたいし、言われたらそう思うかもと(笑)。私はたくさん趣味があるのに、誰かを好きになったら夢中になってしまう。もう両極端なんです! だから真知子みたいに強くなりたいけれど、その強さは私にも美和にも足りないかもしれない。
好きになったら相手に遠慮してしまうこともあるので、そうならない強さを持つ真知子に憧れます。自分の空間を大切にできる、それが一番理想的で、健康的な恋愛だと思います。

「誰かを好きになったら夢中になっちゃう」アイドル、俳優、クリエイター…職業を超越する伊藤万理華の恋愛観_3

――作品に出てくる女性4人は、「ただ幸せになりたい」という思いを強く持っています。伊藤さん自身、自分が幸せになるためにこれだけは欠かせないものってありますか?

家です。「大好きなもので囲まれた場所にいるために頑張るんだ」と思いながら仕事をしてます(笑)。そういう場所がないと仕事へ行ってもきっと不安定になってしまう。だから、安心できる場所は作っておきたいタイプです。帰宅して自分が好きな本や映画、植物などいろんなものを見て「私にはこれがある」と再確認できる場所は欠かせないです。自分の空間で過ごす時間を作り、自分を忘れないようにしてます。