『満月をさがして』『涼宮ハルヒの憂鬱』が声優を志す【キッカケ】に

最初に志したのは“声優”ではなく、“芸能”の仕事だったという芹澤。そのキッカケとなったのは、種村有菜原作『満月をさがして』のアニメだった。同作は重い病気を持ち、余命いくばくもない12歳の少女・神山満月が魔法の力で「歌手になる」という夢を叶えるストーリーだ。

「『満月をさがして』を見た時、“人前に出てキラキラできることが仕事になるなんて最高!”と憧れるようになって。そこからは将来の夢に、ひらがなで“げいのうじん”と書くようになりましたね(笑)」

デビューから10年、苦悩の連続だった。声優・芹澤優が挫けずに前を向けた3つの原点_02

『満月をさがして』をキッカケにアニメを見るようになった芹澤。そして、中学1年生の頃にアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』と出会ったことで、“芸能”から“芸能の中の声優”という仕事に惹かれるようになっていった。

「『涼宮ハルヒの激奏』というライブDVDを見た時、涼宮ハルヒを演じている平野綾さんにものすごく惹かれたんです。かわいくて、歌は上手で、ダンスもキレキレ。寸劇でお話している時は、ハルヒそのもの。“こんな風に人前に立てる声優さんになりたい!”と思いました」

デビューから10年、苦悩の連続だった。声優・芹澤優が挫けずに前を向けた3つの原点_03

芸能の仕事は、俳優やモデル、歌手などさまざまだ。その中で“声優”の仕事に惹かれたのはなぜか。そう聞くと、芹澤は「アニメに救われたから」と答えた。

「中学時代、あまり学校が楽しくなかったんです。だけど、どんなに学校がつまらなくても、おうちに帰って異世界に行ったり魔法を使ったりするアニメを見ていたら楽しくて幸せな気持ちになれて。なんて夢のある仕事なんだろうと思いました」

デビューから10年、苦悩の連続だった。声優・芹澤優が挫けずに前を向けた3つの原点_04

その夢を叶えるため、声優の養成所に通いながら高校生活を送った芹澤が初めてオーディションを受けたのは高校2年生のとき。

養成所の先生に勧められたこと、オーディションを主催する声優事務所81プロデュースに芹澤が好きだった声優・加藤英美里が所属していたことが決め手となり、『アニソン・ヴォーカルオーディション』を受けることに。

そして見事、オーディションに合格。しかし、喜びもつかの間、「気持ちがどん底に落ちました」と当時の心境を明かした。

「声優をしながらソロのアーティストとして活動をするのかと思っていたのに、ふたを開けてみたらi☆Risのメンバーとしてのデビュー。思っていたのと違うし、アイドルとしてのデビューが先だし……。“アイドルがやりたくてオーディションを受けたわけじゃない!”という気持ちが強くありました」