「何か音が鳴っていないと寂しくて眠れない」とは、記者の知人の30代男性の意見。眠るときは静かな環境のほうが入眠しやすそうなものだが、昨今では、枕元でYouTube等、何かしらの動画を流しながら就寝することをルーティーンとする人も増えているようだ。

その実態を探るべく、集英社オンラインでは、独自で20~50代の男女1000人に「寝るときに睡眠導入のために何かの動画を流すことがありますか?」というアンケートを実施。その結果、23.6%、およそ4人に1人もの人が「はい」と回答した。では、彼らはいったいどんな〝睡眠導入YouTube〟を流しているのか。その知られざる世界をのぞいてみよう。

睡眠導入で勉強する意識高い系も

睡眠導入YouTubeとして、どのようなジャンルの動画を聞いているかを質問してみると、以下のような結果となった。

美容院のシャワー音にタロットカードのシャッフル音まで あなたは寝るときに何を聞く?「睡眠導入YouTube」の世界_a

もっとも多かった回答は「音楽」で、全体の44.2%。特にクラシックやジャズ、ヒーリングミュージックを流す人が多数。「YouTubeで『睡眠』と検索すると、検索結果の上位にヒーリング音楽がたくさんくるので、毎日適当に選んで流している」(30代女性)、「ジブリ音楽のオルゴールアレンジメドレーは寝心地最高です」(30代男性)との意見が見られた。

続いて多くの回答を得られたのが、波音や川のせせらぎといった「水の環境音」で19.6%。「母親の胎内にいたときのことを思い出す(笑)」(20代男性)、「テントに雨が打ちつけられる音は不思議とリラックスできる」(40代男性)といった答えも。

美容院のシャワー音にタロットカードのシャッフル音まで あなたは寝るときに何を聞く?「睡眠導入YouTube」の世界_b
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また、「昼間にテレビを見る時間がないので、ラジオのニュースを聞きながら眠る」(40代女性)、「お笑い芸人のラジオ番組を聞いてると寝る前の寂しさがやわらぐ」(30代女性)などの理由で「ラジオ」が13.1%。YouTubeにアップされている公式のラジオ番組のほか、インターネットラジオサービス「radiko」を利用する人も。

少し変わったものでは「普段、本は読まないけど、ここで蓄えた知識をガールズバーの女のコに披露してます(笑)」(30代男性)などの理由で「教養系」が9.0%だった。具体的には「英会話」「本の要約チャンネル」「投資関連のアナリストの解説」などが。「寝る直前まで何かを学びたい」(20代男性)との声も上がるなど、入眠にも意識の高さが求められる時代なのだろうか。

また、咀嚼音などの「ASMR」(5.7%)、「プラネタリウム」(3.2%)、さらには「落語」「ゲーム実況」「都市伝説」「怪談」といった答えもあった。睡眠導入YouTubeの多様性がおわかりいただけただろう。