トノサマバッタはほぼカニ味、東京湾でサメを釣る――地球は食べ物で溢れている_2

サメを釣ると脳が熱くなる

「東京湾でサメが釣れるぞ!」

そんな最高な情報を教えてくれたのは、釣り仲間のうーたむさんだった。詳細な場所は書けないけど、普段みんながよく通っているであろうあそこにサメがいたとは。東京湾、夢がありすぎるだろ。

案内してもらったポイントでは、サバも釣れるらしい。そしてサメ釣りのエサはサバやさんま、イワシなど、普段から食べているエサが一番安定して釣れる、とのことだった。アタリが来たらわかるように竿先に鈴を付けて、しばらく放置した。寝っ転がって雑談したり、近くに生えていた山菜を採ったりした。フキノトウがたくさんあった。

ついに鈴が鳴ったのは夜中。開始から4時間が経っていた。

激しい鈴の音とともに竿がひったくられるように曲がり、サメだと確信した。力強くフッキングをすると竿に重みが乗った。とんでもなく重いリールのハンドルを歯を食いしばって巻いた。糸が切れるかもしれないな、と緊張した。どんな生き物でも、この捕獲できるかできないかの瀬戸際が一番脳が熱くなる。

釣れたのはドチザメという体長1メートルほどの小型のサメ。別名・ベイ(=入江)シャーク。おとなしい性格で、サメ映画のように人間を襲うことはないと言われる。それでもサメはサメ、鋭い小さな歯がびっしり生えていた。今後捕獲する予定のオオメジロザメやホホジロザメでやると手がダメになりそうなのでチャンスは今だと思い、口に手を突っ込んでみると、痛くて血が出た。動画には映せないが、出血は勲章だ。もはや気持ちいい。