現場や役によって変わる
――役がメンタルに結構影響するタイプなんですね。
香取 結構影響します。例えば、『西遊記』の孫悟空や『こち亀』の両さんを演じた時の僕と今回の僕は現場の雰囲気は全然違うし。現場に入った時から役の感じでいますからね。だから、久しぶりに会うと接し方が分からなったりもしますね。
岸井 それはわかります。私も現場や役によって結構変わるタイプであまり自分が定着していないところがあるので、どういう感じで接していたかわからなくなります。時間が空いて再共演した時に「そんなだったっけ?」って言われることもありますし(笑)。
――香取さんは役者デビューから35年近くになりますが──。
香取 そんなになりますか。10歳ぐらいからやってるからね。
――ただ、お芝居が苦手だとおっしゃっているのが意外でした。
香取 お仕事の中で一番苦手ですね。緊張しますし、すごく難しいなあって思う。今回もそうですけど、一緒にやりたいと言ってくれる方がいてくださるから、やれています。他のお仕事は、曲もステージも自分で作ってるし、バラエティ、コントも本を作るところから関わってたりするし、絵も自分で1から描いていて。
でも、お芝居だけは作られたものの中に入るから難しく感じるんだと思います。ただ、本当に嫌いだったらやらないと思うんですよね。苦手だけど好きだからやってるっていう、あまり他の人が言わないことを言ってるだけな気もします(笑)。
岸井 なるほど(笑)。
香取 「なんでそんなこと言うんですか?」ってよく言われますから。ものすごく追い詰められることもあるけど、本当に嫌でやめようと思ったことはないですね。