「情けない、だらしない、ダメな香取慎吾」が軸に!?
――脚本を読んでどんな印象を持ちましたか?
岸井ゆきの(以下、岸井) 「“旦那デスノート”なんてあるんだ?」って思いました(笑)。ただ、夫婦で言いたいことを直接言い合えていたらこんなことにはならなかったんだろうなと思うけど、言えないこともあるんだろうなと思ったり。私は未婚で、近くで見てきた夫婦というと両親になりますが、仲の良い両親でも冷戦っぽい雰囲気になった時期があって、日和を演じる上でそれを参考にしたところはありました。どこの夫婦も大変なことは普通にあるんだと思いました。
香取慎吾(以下、香取) 相手に対して良かれと思って言ったことが、言い方がちょっと良くなかったりしてこじれちゃったりね。もう少し相手のことを思ってあげられてたら、あんな風にはならなかったのかもしれないと思いました。
岸井 直接言わなきゃわからないっていうことは、これまで何億回もいろんな作品や曲で言われてきたことですが、それでも人間はなかなか直接言いたいことを言えないんだなって。でも、「言いたい」って思うことが大事な第一歩なんだなとも思いましたね。
――市井昌秀監督は脚本を書く上で、「大切な人との関係性を見つめ直すもの」ということと「情けない、だらしない、ダメな香取慎吾」ということを軸にしたそうですね。
香取 そんな感じの役でしたね(笑)。僕にも少しはそういう部分はあるけど、裕次郎は本当に駄目なヤツ。務めているホームセンターでリーダーぶって仕切ったりしてるけど、誰からも慕われてない。その感じがすごく好きですね(笑)。